#50 シゲside ページ20
＊
5月の屋上で過ごすお昼休みは、
めっちゃ心地がええ。
うちのビルの屋上は小さいけど庭園になっとって、
木陰にベンチがあったりして。
隣の淳太も気持ちええな、なんて呟いとる。
社食で食べずにこうやって外で食べるんも、
たまにはええな。
「シゲ、最近橘さんとはどうなん？」
「んー、別に普通やな。
ちょこちょこどうでもええことで連絡取ったり、
飯行ったり」
「え、どうでもええことで
連絡取れるってええやん。
進展はありそう？」
「...何とも言えんな。
楽しそうにはしてくれるし、話も普通に弾むけど」
「とりあえずもうその状態キープして、
ちょっとずつ向こうの気持ちが向くんを
待つしかないって感じか」
「せやな、それしかできんかな。
...あとは、ちょっと頑張って仕掛ける！」
「うわ、めっちゃシゲらしい」
照史も心配しとったで、って笑う淳太は、
最近橘の同期で仲のええ永坂と付き合い始めた。
前の彼女と別れてからそんな経ってへんし、
正直好きになったからって
付き合った訳やないのも分かっとる。
でも、いいタイミングで頑張ってアタックした
永坂のことを淳太は受け入れて、
大事にしようって決めたんやと思う。
元々永坂もええ子なんは分かっとるし。
何か、そうやって割り切って程よい恋愛を
さらっと出来てまう淳太がかっこええ。
俺はずるずる片思いして、
それもすぐ上手くいくわけやなく
ゆっくりしか進まへんし、何かやっぱ子供やな。
...なんて、考えとることは、
淳太にはお見通しらしい。
「シゲはシゲなんやからそれでええんよ」
「...何も言っとらんで」
「顔で分かるわ。
お前は、ちゃんと気持ち最優先の恋愛
しとるんやでそれでええの」
「...でもやっぱ子供やなって思わへん？」
「人を真正面から好きになるんが
子供っぽいやなんて誰も思わへんよ。
それが悪いやなんてことも絶対ないって、
前も言うたやろ？」
「...せやけど、やっぱ何か淳太かっこええもん。
俺もこの子ええなって思って受け入れて
さらっと付き合えたらええのに」
「...まあ、それは今まで感情なく付き合ってきた
ツケが回ってきたと思って頑張りたまえ」
俺の頭をわざとらしくぽんぽんして笑う淳太は
やっぱり大人で。
けど、俺はそうはなれへんから、
俺は俺のできる恋愛をするしかないんや、
ってちょっと納得したりもする。
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ひかり(プロフ) - はれなさん» コメントありがとうございます！世界観のファンやなんて恐れ多いです...でもめっちゃ嬉しいです（＾Ｏ＾）マイペースな更新になってしまいますが、今後も楽しく読んで頂けるように頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2017年4月28日 9時) (
レス) id: 065cfa3c4f (このIDを非表示/違反報告)
はれな(プロフ) - 前回の作品に引き続き、公開中のクロスライン毎回更新が楽しみで、展開をドキドキしながら読ませていただいております。ひかりさんのペースで構いませんので更新心待ちにしております。作者様の世界観のファンです！ (2017年4月28日 1時) (レス) id: 745a96f7ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2017年4月24日 10時
