#47 流星side ページ17
＊
『...やっぱり、流星はずるいよ』
綺麗な横顔から、
ぽつりと呟かれる言葉が心に刺さる。
...確かに俺はずるい。
きっとまだ大丈夫や、まだ誰にも取られへんって、
逃げて逃げて逃げて。
誰かに取られそうになったら、
急に焦って告白なんかして。
Aの真っ直ぐな心を、困らせるような真似して。
そんな男やあかんって、正々堂々ぶつかった
重岡さんに取られるんも仕方ないって、
どっかで分かっとるのに。
...でも、ごめん。
俺はずるくしか言えへんくらい弱いねん。
自分でも、痛いぐらい分かっとるんや。
『...わたしの気持ちも知らんと、
よくそんなこと言えるよね』
「...ごめんって」
『...ほんま、何でそんなずるいんよ』
「...俺、そういう男やねんて。
ほんまにごめん」
『...謝ったってずるいもんはずるいんやからね、
分かっとるん？』
「...分かっとるよ、ごめんってほんま」
『...ほんま、何でこんなずるい男、
3年も好きかなあ』
「...え、は？」
『...ほんまわたしも大概趣味悪いわ。
...ずっと好きやったん、
自分だけやと思ったら大間違いやからね』
...聞き間違いやないよな。
ずっと好きやったん
自分だけやと思ったら大間違い、やって。
それって、え、ほんまに言うとるん？
「...え、ちょっと」
『...わたしもずっと好きやったよ、入社の時から。
言えへんかったけど、ほんま』
「...ほんまに言うてるん？」
『...こんな状況でどうやったら嘘つけるんよ、
ほんまのことしか言わんし
ちゃんと信じてよって言ったやんか』
しっかり俺と目を合わせて。
いつもの優しい顔で、Aが微笑んでくれる。
...嘘、ちょっと信じられん。
え、何、ずっとお互い好きやったってこと？
信じられんくて、もう1回ちゃんと聞きたくて。
確認しようとしたら、
Aがちょっと顔を曇らせた。
『...でも、ごめんなさい。
すぐ流星と付き合うとかは、
今のわたしにはできへん』
＊
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ひかり(プロフ) - はれなさん» コメントありがとうございます！世界観のファンやなんて恐れ多いです...でもめっちゃ嬉しいです（＾Ｏ＾）マイペースな更新になってしまいますが、今後も楽しく読んで頂けるように頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2017年4月28日 9時) (
レス) id: 065cfa3c4f (このIDを非表示/違反報告)
はれな(プロフ) - 前回の作品に引き続き、公開中のクロスライン毎回更新が楽しみで、展開をドキドキしながら読ませていただいております。ひかりさんのペースで構いませんので更新心待ちにしております。作者様の世界観のファンです！ (2017年4月28日 1時) (レス) id: 745a96f7ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2017年4月24日 10時
