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適当に作ったあり合わせホットドッグを
もぐもぐする望は、何か小動物みたい。
朝のワイドショーを見ながら
ゆるやかな時間が流れる、
わたしは望との朝の時間がほんまに好き。
「結婚式のドレスって、
友達と見に行くんが普通なん？」
『いや、そういうわけでもないと思うで。
旦那さんが付き合うことが多いよね』
「じゃあなんでAと夏希ちゃんが付き合うん？」
『ミキの旦那さん、結婚式の当日まで
ミキのドレス姿取っときたいんやって。
結局惚気よ、惚気』
「結婚する時の参考になるやん」
『...いやその前に相手探しが先でしょうが』
再来月大学時代の先輩と結婚するミキは、
それこそ入社してすぐ重岡さんに手を出された
わたしの知り合いの1人。
可愛い見た目の割にサバサバしとって
はっきりした物言いをするところが合うのか、
総合職で入社したわたしと夏希にとって
1番仲の良い一般職の同期の女子である。
部署もみんな違うのに3人で買い物に行ったり
旅行したりもあったくらい仲が良いから、
結婚が決まった時はほんまに嬉しかった。
...何せ重岡さんに振り回されとった時期を
知ってますからね、ええ。
望に相手探しが先、とか言っちゃったから、
ふと重岡さんの顔が浮かんだ。
あの言葉、ほんまなんかなあ。
あの女たらしの重岡さんとは
似ても似つかへん言葉。
いや、嘘ついてそういう実は俺誠実やねんキャラを
装っとったりする？
望に聞いてみたいところやけど、
話が長くなりそうやから次の機会にしよう。
ぱぱっと食べ終えて片付けて、
メイクだけ綺麗に整えたら準備は完了。
望に鍵を預けて、わたしは家を出る。
『じゃあごめん先行くね、鍵頼んだ』
「ほいよ、気をつけて行くんやで」
『望はちゃんと部屋の片付けしといてね、
わたしもう次から家行かへんで』
「やったら俺がAの部屋毎回行くでええもん」
『...次は門前払いやからな』
「やだ怖い。頑張って片付けて待っとる」
『よろしい、じゃあ行ってきます』
「いってらっしゃい、気いつけてな」
わたしが先に出る時、
さらっとお見送りしてくれちゃうところらへんが
望のいいところ。
この居心地の良さに甘えたくなる日は多いけど。
...きっとわたしたちがこれ以上になるのは
暗黙の了解でなしやってこと、
1番わかっとるのは自分やったりする。
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作者名：りり | 作成日時：2017年4月17日 9時
