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＊
「ずっと思っててんけど、
今日確信したから言わせて？
...俺、橘のこと好きです」
...こんなストレートな告白されたの
いつぶりやろう。
顔をちょっと赤くして、
あの綺麗な目でわたしを見つめながら、
重岡さんは言った。
「2年前、一緒の部署になった時から
ずっと気になっててん」
『...2年前』
「全然気付いてへんかったよね、
いや、俺も人を好きになるんとか久しぶりすぎて
自分でも全然気付いてへんかったもん」
『...』
「楽しそうに仕事するし、一生懸命やし、
コーヒーに何入れるとかそういう
細かいところまでちゃんと気遣えるし。
何か、橘のこと見とるだけで
俺が元気になるなあって、思っててん」
『...』
「...でも、ちゃんと人を好きになるのなんか
ほんまに久しぶりで感覚分からんくて、
自分の気持ちが間違ってへんか不安やったんよ。
...でも、今日ちゃんと2人で飯行って話して、
今の気持ちはほんまの気持ちやなって、思った」
『...そう、ですか』
「...正直、そんな簡単に
信用されへんって分かっとる。
今まで恋愛とか全然重く考えてへんくて
遊んできたんは事実やし」
『...』
「...やけど、橘のことは本気です。
気持ち知ってもらって考えてほしいって思ってん」
『...重岡、さん』
「いろんなことお互い知って、
それで無理ってなるのは仕方ないと思うねん。
...けど、何もせえへんまま、
橘を誰かに取られるんだけは、嫌や」
『...』
「やから...ちょっとずつでええから、
俺のこともっと知ってくれへん？
で、橘のことも、もっと知りたい、です。
...そんで、ゆっくりでええから、
俺と過ごす将来も候補に入れてくれへんかな」
真剣な表情の中に、ちょっと気まずそうな、
ちょっと照れくさそうな、そんな雰囲気が見えて。
何て言っていいかわからへんけど、
本気なのは、それだけは、痛いほど分かる。
...こんな真っ直ぐな気持ちをぶつけられて、
断るなんて選択肢をわたしは持ち合わせてへん。
『...わかり、ました』
「...え、ええの？」
『...お友達から、というか、はい、
そういうことでよかったら、大丈夫です』
「ほんま！？
...うわ、え、どないしよめっちゃ嬉しい、
ありがとう」
ぱあっと花が咲いたみたいに、
まるで子供みたいな表情で笑って。
...どうしよう、不覚にも
きゅんとなんてしちゃって、重岡さんはずるい。
＊
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作者名：りり | 作成日時：2017年4月17日 9時
