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「俺も見ての通り完全にビビりだから、
告白するときはさすがに勝算あったかな」
『それってどんな？』
「みんなでいるときにすごい目が合うとか、
ささいなことでした連絡が途切れないとか。
本当、そういう分かりやすいやつだよ」
『...他には？』
「え、他に？...んー、あ、あと、
俺の好きだって言ってたものを覚えてたりとか？
俺が大事にしてるものを大事にしてくれるとか」
『好きなことと、大事にしてるもの、』
「例えば、Aだったら...ほら、あの画集とか。
そういうの、理解しようとしてくれたり、
貸してあげたらすごく大事に扱ってくれたり。
そういうので、好意って伝わるもんじゃん？」
...じゃあ、少なくとも、先生はわたしのこと、
嫌いじゃないってことでいいんだろうか。
だって、わたしの描いた絵を、
ずっと準備室で綺麗に保管してくれているし、
わたしが気に入っている画家の展覧会の券も、
「余ったから」って分けてくれたことがある。
あんまり生徒と馴れ馴れしくする人じゃないから、
「先生冷たーい」ってよく言われているけど、
わたしはそんな風に感じたことは1回もない。
だって、部活の前に分からない課題を聞いても、
「また？」って言いつつちゃんと教えてくれるし。
それに、授業中だって、たくさん目が合う。
...なんて、全部わたしの都合のいい解釈だ、
ってことは分かってる。
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作者名：りり | 作成日時：2019年9月1日 20時
