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『ねえ、『この人わたしのこと好きかも』って、
気付いた瞬間って今までにある？』
数学のよく分かんない問題を解きながら、
ふと、そんなことを聞いてみる。
隣で「何、どうしたそんな急にませた質問」って、
ペンをくるくる回しながら笑う、
...聞いてみたけど亮平くんじゃ頼りにならないか。
『...たまにはいいでしょ。彼女いたことある？』
「当たり前だよ、失礼な。俺を何だと思ってんの」
『顔はいいのに性格はなかなかに堅物でガリ勉、
優しいけど優しすぎていい人止まり』
「...うっわ言い返せない」
『で？それ亮平くんから告白して付き合ったの？』
「意外とグイグイ聞くじゃん！笑」
ついでに休憩時間にしようということなのか、
亮平くんはペンを置いてコーヒーを手に取る。
今までちゃんと付き合ったのは2人。
最初の彼女は高校時代の後輩で、
その子はそっちが押せ押せだったから、
俺が折れて付き合うことになった感じ。
2人目の子は大学の友達の友達で、
その子は一応ちゃんと俺から告白したかな。
なんて、意外とちゃんと教えてくれながら、
「まあ、昔の話だからね」って、
...いや、亮平くんまだ大学院生なんだし、
全部そんなに前じゃない話だと思うけど。
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作者名：りり | 作成日時：2019年9月1日 20時
