006 Tatsuya ページ7
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あーあ、またあんな物憂げに、
あの子が描いた絵なんか眺めちゃって。
美術室から覗くいつも通りの北斗の横顔に、
ちょっと呆れてため息なんかついてみる。
「何ですか、そのため息」
「先生だってため息くらいつきますよ」...なんて、
作間との会話もすっかり慣れたもんで。
真面目で、その分強情で。
冷たそうに見えて、本当は気持ちが強くて。
一見完璧に見えるあいつが、
簡単に崩れる脆さを持ち合わせていることを、
この学校で知るのは付き合いの長い俺だけで、
だから心配になってすっかり来慣れた美術室には、
いつもと違って珍しく作間が1人。
俺たちが高校の頃も、何度も通った場所。
窓から見える景色も、あの頃とそう変わってない。
「白石は？」
「さっき優斗くんに呼び出されて出ていきました。
そのうち戻ってくると思いますけど」
「誰？」
「先輩と同じクラスの�盒桐ヅ佑�ん。
ほら、軟式野球部の4番の子、有名でしょ？」
「ああ、キャッチャーか。いつも派手に笑ってる」
「そう。先輩、優斗くんと一緒の委員会で、
優斗くんが何かやらかすと呼び出されるんですよ」
「...何か想像できるわ、そそっかしそう」
「先輩何でもできちゃうから。
呼べば助けてもらえるって分かってるんですよ、
優斗くんって昔からそういうとこある」
でも、多分、�盒兇�白石を呼び出す理由は、
それだけじゃないんだろうな。
年頃の男が、可愛い同級生の女子を呼び出すのに、
助けてもらうためだけ、なんてことはないだろう。
...へえ、�盒兇皀皀討修Δ覆里法△△┐毒鮴个�。
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作者名：りり | 作成日時：2019年9月1日 20時
