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020 Taisyo ページ21
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「大昇の知らないとこにいるんじゃないの」
「俺の知らないとこ？学校じゃないってこと？」
「かもしれないね」
「でも先輩、バイトしてないでしょ？
家庭教師はいとこだって聞いたし...、
それだったら、そんな相手が一体どこにいるの」
「そんなの俺たちの知らない関係もあるでしょ。
大昇だって中学遠いじゃん、
そこの同級生で別の高校行った人が好きな人、
とかだって普通にありえる話でしょ？」
「...そうだけどさあ」
「先輩、断りたいからって嘘つく人じゃないよ」
「そんなの分かってるけど、」
「先輩の言葉はちゃんと信じてあげてよ。
それで、その先どうするかは大昇次第でしょ？」
さくちゃんは、俺よりも先輩に近いところにいる。
毎日、会いに行かなくたって会えるし、
毎日、告白しなくたって会話できるし。
そんなさくちゃんがそういうんだから、
先輩がそんな人じゃないって、
それは俺の直感だけじゃなくって、
本当のことだって分かってるけどさ。
...でも、こんなに好きで、ずっと告白してるのに。
想いが届かなくて、やけになって、
それでも好きで、そんな風に思いたいんだって。
その俺の気持ちだって、誰か分かってよ...。
＊
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作者名：りり | 作成日時：2019年9月1日 20時
