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まるで、高校生のデートみたいに。
クレープを片手に、海辺の公園へ繰り出す。
晴れた秋の太陽が、きらきら海に反射して眩しい。
...そういえば、宮近くんと出会った日。
合コンを抜け出して行ったのも、
横浜のこんな港町だったな、なんて思う。
『宮近くん、思ったけど常に何か食べてない?』
「…ダメっすか?」
『そんな食べても太らないの羨ましいなって』
「ちょ、Aちゃん本当に俺のこと見てます?」
『え?』
「俺が美勇人くんに“ぽっちゃり”とか言われて
散々いじられてるの、知っててそういうこと!」
『え、そうなの?』
「みんな食べても太んないからさ、
俺のこと“ぽっちゃり”とか“大福”とか呼ぶの、
“大福”ってひどくない?
…でもAちゃんのがもっとひどいからね、
だってそうじゃん俺のこと分かってない!」
『待って待ってそんな風には見えないんだって!』
「もう知らない、Aちゃんマジひどい」
って、拗ねた横顔が可愛い。
横からそっとわたしのクレープを差し出すと、
無言でぱくっとかぶりつく、
…ふふ、小動物みたいでさらに可愛い。
…宮近くんは、どこまで気付いているのかな。
わたしが君をこんなに愛おしいと思っていること。
合コンで出会った人に惹かれていることも、
年下の男の子を恋愛対象として見たことも、
…彼はいろんなことがわたしにとってはじめてで。
だからこそ、
わたしからどこまで近付いていいのかなあって、
誰にも聞かないけど、最近そんなことを思ってる。
なんとなく、わたしから言うのは違うかなって、
そもそもこの考えも宮近くんに対して、
通用するのかどうかは分からないし。
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りり(プロフ) - みやちゃさん» コメントありがとうございます!そんな風に言って頂けて光栄です。阿部くんメインのお話、実は書いてみたいものがあったりします...落ち着いたら更新したいと思っているので、そのときまでお待ちください!今後もお付き合い頂けたら嬉しいです! (2018年12月24日 21時) (レス) id: 6193b7c26e (このIDを非表示/違反報告)
みやちゃ(プロフ) - コメント失礼します。りりさんが書くお話がとても好きなので、是非阿部亮平くんメインの長編のお話も待ってます…(´-`).。oO (2018年12月24日 17時) (レス) id: 0916b99464 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りり | 作成日時:2018年11月30日 0時