Love Mixture 3

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「…Aは？なんもないの？」

森田はエビフライを食べながら首を傾げる。

『うん、ない』って即答したら、

「色気ねえな、なんかねえの？」って樹が笑う。









わたしが配属されたのは、

新人が配属されるのは30年ぶりの広報部。

そもそも男の人が少ないし、

元々他部署でいろんな経験をした人が来る場所で、

管理系の部署だからフロア自体も平均年齢が高い。









飲み会や何やかんやで「かっこいい！」って

同期女子が騒ぐ先輩にお会いすることもあるけど、

…うーん、別に何か心に刺さるようなこともなく。

それこそ企画部の中島先輩とか菊池先輩とか、

マーケティング部の神山先輩とか、

あ、営業部の藤井先輩はさすがに美形だったけど、

受付の可愛いお姉さんと付き合ってるって噂だし。









…噂されてるような人とお話しても、

そんなに心がときめかないのは何故だ。









別に社内だけじゃない、

最近誰かにときめいたことなんてない気がする。

まだ22歳だぞ、もっと何かあるでしょ普通…！

とはさすがのわたしも思うものの、

そんなの出会いに行く場所もあるわけじゃないし、

気になる人なんていな…









いや、正確には1人だけ、いる。

…森田越しに見えた、ふわっとした金髪はたぶん。









どことなく猫っぽい綺麗な顔立ちに白い肌、

何故か許された金髪に企画部らしいラフな格好。

そして…喋ったらさらに分かる、

クールそうなのにふわんとした独特の雰囲気。

男前だと思うけど、あまり社交的じゃないせいか、

決して、モテるなんて噂を聞くタイプではない。

けど、なんか気になっちゃう、そんな感じ。









企画部の2年目、京本大我先輩。

社内で唯一、会うとちょっとだけドキッとする人。









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