初夢ロマンチカ《Taiga.K》 ページ24
*
「明けましておめでとう、寝てない?」
寝てないと分かっていて、笑いながらそう言う。
そんな、相変わらず意地悪な君からの、
新年1番最初の電話。
『寝てないよ。明けましておめでとう』
「ちゃんと見てたの?」
『見てたよ、今日は尻尾付いてたね』
「意外と映ってたんじゃない?」
『うん、髪染め直した方がいいんじゃない?
って思うくらいには映ってた』
「あ、やっぱ髪そろそろやばそう?」
外からかけてきているのか、
大我の声越しに雑踏がかすかに聞こえる。
ガチャガチャと荷物を片付けているような音、
扉の閉まる派手な響きに、
「ちょっとジェス、それ俺のっしょ?」って、
多分、今の声は樹くんかな。
...って、まだメンバーといるのに、
電話かけてきていいんですか、あなたは。
「大丈夫、もうすぐ移動するから。
それまでなら大丈夫と思ってかけてるから」って、
わたしの疑問を先取りして答えてくるけど。
いや、大我の「大丈夫」はわりとあてにならない。
「今からみんなと初詣行くんだけど」
『いつものとこ?』
「うん、...でもおみくじは今年は引かない」
『そうなの?何で?』
「Aと初詣行くときまで取っとく」
『...いつになりそう?』
「最初の休演日、あけてあるから。意外とすぐ」
『分かった、じゃあわたしもおみくじは取っとく』
淡々と受け答えしているけど、
きっと声はどこか弾んでしまっている。
そんなわたしにも、きっと大我は気付いてる。
鈍感そうに見えて、奥手そうに見えて、
意外と男っぽい、わたしの彼はそんな人。
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りり(プロフ) - みやちゃさん» コメントありがとうございます!そんな風に言って頂けて光栄です。阿部くんメインのお話、実は書いてみたいものがあったりします...落ち着いたら更新したいと思っているので、そのときまでお待ちください!今後もお付き合い頂けたら嬉しいです! (2018年12月24日 21時) (レス) id: 6193b7c26e (このIDを非表示/違反報告)
みやちゃ(プロフ) - コメント失礼します。りりさんが書くお話がとても好きなので、是非阿部亮平くんメインの長編のお話も待ってます…(´-`).。oO (2018年12月24日 17時) (レス) id: 0916b99464 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りり | 作成日時:2018年11月30日 0時