Love Mixture 3

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阿部くんがアイドルとやらをやっていることは、

ルームメイトたちはみんな知っている。

本人も全部隠している訳ではないし、

仕事の話もそれなりにはしてくれるけど、

「大学院も卒業して、社会勉強も必要かなって」

なんて真っ当な理由で入居してきて、

ルールもきちんと守るいい子だって知ってるから、

何となくあまり聞かないようにしているだけで。









だからこそ、驚くのだ。

やっぱりアイドルっていうのは、

みんなこんな個性的なものなんだろうか。









1番よくこのシェアハウスに顔を出す、

彼の仲良し佐久間くんは強力なアニヲタで、

03号室の葉月さんと作品を紹介し合っては

どのシーンが好きかで盛り上がっているし。

つい先日やってきた岩本くんは、

共有の筋トレマシーンを片っ端から試しては、

07号室の拓郎さんと最新の機器について熱く語り。

あ、高地くんは共有スペースで爆睡してたなあ。









阿部くんがある意味アイドルとしては普通すぎて、

それが基準になっているせいで、

彼らに会うたびにびっくりしてしまう。

「まあ、面白いけどね変わった子が多くて」

なんて梨花さんはワイン片手に笑うけど、

…1番迷惑を被っているのはわたしだってこと、

梨花さんはじめ皆さま分かってます？









「そんな怒んないでよ、Aさんも飲む？」

『…調子いいこと言わないで。初対面でしょ』

「そんなカリカリしなくてもいーじゃん！

ね、飲もうよこっちで俺と一緒にさあ」

『ちょっと阿部くん！？この子何なの！？』









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