#23 怜央side ページ23
＊
「...本当に嫌がってないっすかね、」
ぼそっと呟いたら、安井くんはにやにやして、
「絶対大丈夫だって」ってあざとい表情で笑う。
...いや、その「大丈夫」はまじであてになんない！
「てか、Aちゃんにピアノ教えてもらえば！」
「そうじゃん、ピアノ上手いって聞いたよ！」
「もうどうせ隠し部屋のこともバレてんだし、
恥ずかしがんないでお願いすれば？」
「そしたら今回無敵じゃん！ジングルベル！」
「岸みたいに留年しないで済むよ、ながつ！」
「ちょっと、安井くん酷いじゃないっすか！」
安井くんと岸くんがそう急かすから、
勢いでピアノの先生をお願いしちゃって。
...引き受けてくれるなんて、思ってなかったな。
驚くくらいピアノが下手だってバレてるのに、
見捨てないでくれるんだなー、って。
自分で言うのも何だけど、本当に苦手だから、
きっと教えるのも苦労するはずなのに。
『じゃあ、一緒に頑張りましょう...！』って。
あんな、可愛い顔で笑ってくれて。
世の中、捨てたもんじゃない。
まだまだ俺にもいいことあるもんだ！
「いやあ、俺も教えてほしいくらいだわ。
ながつずるいなー、あんないい先生捕まえて！」
「岸、どうすんの？もう1年とかなったら」
「もう1年！？え、そんなの無理っすよ！
ながつより学年下になるんすよ！？」
「じゃあながつに負けてらんないじゃん、
しっかり練習しなきゃ！」
「なあながつ、俺も混ざっちゃだめ！？」
「え、あ...一緒にやります？」
「ちょ、岸はだめだって！Aちゃんに迷惑！」
「ええ、何で！？
1人も2人も変わんないっしょ！？」
「だめなもんはだめ！
そもそもあの部屋お前は使えないっしょ？」
安井くんと岸くんの話を何となく聞いて、
あ、そうか、って何となく気付く。
岸くんは、あの部屋は使えない。
岸くんは、というか、みんなそうだ。
...あの部屋で、2人っきりで教えてもらうんだ。
どうしよう、急に緊張してきた！
俺、あんな可愛い子と2人で大丈夫かな！？
＊
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りり(プロフ) - あきさん» コメントありがとうございます！嬉しいです。ゆっくりとですが、完結まで更新頑張りますので引き続きよろしくお願いします！ (2018年12月24日 21時) (
レス) id: 6193b7c26e (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - とってもおもしろいです！更新楽しみにしてます(^o^) (2018年12月20日 19時) (携帯から) (レス) id: cdcc880021 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 紗南さん» コメントありがとうございます。そんな風に言って頂けて光栄です（＾Ｏ＾）ゆっくりですが、更新頑張ります！今後もよろしくお願いします。 (2018年1月22日 19時) (レス) id: 065cfa3c4f (このIDを非表示/違反報告)
紗南(プロフ) - 今1番好きな小説です！更新楽しみにしてます！！ (2018年1月22日 16時) (レス) id: 25b5ad77e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2017年12月22日 12時
