【デスノート ニア】天才と天才

もう１度会いたかった ページ23

カポン…。

私しかいないお風呂はどこか寂しい。
と言うか。

A
「やっぱ広すぎ((ﾎﾞｿｯ」

まぁ薄々予想はしてましたけどね、うん。

広くて綺麗で豪華な部屋。
バイキング式の食堂。
誇り１つない廊下に、手入れのされた芝生の庭。

このホテルみたいなところでお風呂だけ狭くて汚いですよ〜、なんて言われても、そっちの方が信じられない。

この孤児院は綺麗で豪華で素敵。
だけど…。

A
「帰りたくなるのは、何でだろうなぁ…。」

私の声がお風呂に響く。
誰もいなくて良かった。

いや、誰もいないと逆に色々考えちゃうからダメか。

よし、早く出よう。
そしてニアとかと喋ってムカついて、全部忘れよう。

お風呂から勢いよく飛び出る。
ザバアッと音がして水が溢れる。
さっき体も髪も洗っちゃったからもう出るだけ。
私は脱衣場に戻りドライヤーをして髪を手早く乾かす。

金色にキラキラ光る髪。
お姉ちゃんとお揃いの、金髪。
髪が乾いたところで、ツーサイドアップにする。
これもお姉ちゃんとお揃い。

まぁ、もう１年くらい会ってないし、もうこの髪型止めてるかもだけど。

ここに来る前に、最後にもう１度会ってちゃんとお別れ言いたかったなぁ。

ツーっと涙が一筋、私の頬をつたった。

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