47話 ページ48
…
em「私は待ってますよ。パスワードも教えておきますんでいつでも来てください。」
帰り際エーミールさんはそう言ってパスワードが書かれた小さなメモをくれた。
em「私はこの目のせいでここから出る事は難しいので基本ここが私の寮であり教室だったりするんです。だから私が護衛をすることは難しいのであまり会えないかもしれませんね」
そう言うとエーミールさんは少しだけ悲しそうに笑った。
『護衛の件は全然大丈夫です。元々2人とか多すぎますし…。で、話は変わるんですが…』
em「？何でしょう」
『ずっと思ってたんです。私がここに、エーミールさんに本を読みに行けばいいんじゃないかなって。あ、音読は苦手なので下手だと思うんですが…本を読みたい時に私を呼んでください。いつでも駆けつけますから』
『大好きな事を諦めるのは辛い事だって私も知ってるから』
そういうとエーミールさんは驚いたようにぽかんと口を開けたまま突っ立っている。
em「…良いんですか？Aさんに負担が掛かるんじゃ…」
『全然ですよ！本を読むの大好きですし、エーミールさんの為なら』
em「じゃあ…お願いしてもいいですか？」
『…！はい！あ、生徒会伝えでも何でも、私を呼んでくれたら大丈夫です』
em「…ありがとうございます」
そう言ったエーミールさんの顔はさっきと違って晴れやかだ。
em「ショッピ君も待ってるだろうし、早く帰った方が良いですよ。気を付けて。」
『あ、そうだった…エミさん、またね』
em「…！はい、また」
エミさんの言葉に見送られ私は再び長い廊下を走っていった。
…
em「…噂通りの子やったな。」
エーミールは残った紅茶をすすりながらそんな事を考えた。
em「でもええ子そうやし…あ、君達はどう思う？」
それに答えるように精霊たちが羽を揺らす。キラキラとした音がエーミールの耳に降り掛かった。
em「確かになぁ。始めみたタイプの人間や」
そう言いながらエーミールは自分の目元を触った。精霊の能力と引き換えに失った視力。自分の目は真っ白で何にもない。
em「…1度あの子を見てみたいわ」
叶わないことを知っていながらもエーミールはぽつりと呟いた。
…
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きのこの里(プロフ) - ぱやさん» ありがとうございます！そう言って頂けてとても嬉しいです…！話の進みほんっとに遅いんですがお付き合い下さい😌 (12月29日 9時) (
レス) id: 444b5d04f5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱや - とっても面白いです!設定も神がかってるし尊敬します、頑張って下さい! (12月29日 9時) (レス) @page19 id: 9356563dac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きのこの里 | 作成日時：2023年12月18日 23時
