41話 ページ42
…
豚さんが倒れてからソファに運んだ後。濡れ布巾をいざ額に置こうとしてみた所…
『あれ、…これって着ぐるみ…？』
やけにぬいぐるみのような触り心地と倒れてるはずなのに閉じない瞳、そして首元にある隙間。
好奇心から私は首元から少し上に持ち上げてみた。
案の定、被り物だったようで思ったよりそれは簡単に持ち上がった。
被り物をとりあえず机に置いて、その中にいた人であろうものを恐る恐る見てみる。
被り物の中には黒髪にメガネをかけた美形の生徒が眠って居た。
『…人間…じゃないよね、この人は…』
いや、今は関係ない。額に手を当てると思ったよりも熱く、汗もかいている。
急いでさっき持ってきた濡れ布巾をその人の額に置いた。
『私が出来るのはここまでだけど…あ、もし起きた時に人間ってバレたらまずいかなこれ』
放っておけないから出来るだけこの場にいたいけど…
辺りに顔を隠せるようなものを探すと丁度いい物が見つかったので被ってみることにした。
『よし、完璧』
顔さえ隠せば私とは分からないだろう。生憎、人間がいるってのは学校中には知られているしもしこの人が人間嫌いだったりしたら大変だもんね。
念には念を、流石に私も学んだものだ。
…
隣から声がしてあの人が起きたんだと察する。丁度タオル変えたばかりだからもう少し横になってて欲しかったけど…
様態が心配なので様子を見に行くことにした。
『…あ、起きました？』
隣の部屋に行けば真っ先にその人と目が合ったのでとりあえず声をかける。…顔色はまだ悪そうだな…
tn「…おん…これ、あんたがやってくれたんか？」
その人はタオルを指さして言う。
『はい。知識が無くてそれくらいしか出来ませんでしたけど…あ、体調はどうですか？』
tn「ありがとうな。体調はぼちぼちって所や。…昼休みあとどれ位あるか分かるか？」
『あと20分無いくらいですかね。』
tn「まじか…分かったわ。えーっと…お面の人…」
『はい？』
tn「俺また仕事に戻るから帰ってええで。看病ありがとうな。」
そう言って無理に立ち上がろうとする黒髪の人。いや、どっからどう見ても病人なんですけど
『いやいや寝てください！！また倒れたらどうするんですか』
tn「別に大した事ないでこれくらい。それに今日までにやらないかんことも多くてな…」
『…でも…』
tn「ええよ、優しいな君。名前は？」
…この流れで名前聞かれると思ってなかった…
…
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きのこの里(プロフ) - ぱやさん» ありがとうございます！そう言って頂けてとても嬉しいです…！話の進みほんっとに遅いんですがお付き合い下さい😌 (12月29日 9時) (
レス) id: 444b5d04f5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱや - とっても面白いです!設定も神がかってるし尊敬します、頑張って下さい! (12月29日 9時) (レス) @page19 id: 9356563dac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きのこの里 | 作成日時：2023年12月18日 23時
