crescent～河井ゆずるの場合～ (ページ8)

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風邪ページ8

Aside
『もう本当に何考えてるの!?』

町宮「ごめんって！」

『透は何がしたいの!?』

町宮「俺はAとゆずるさんが前みたいに戻って欲しいだけで...」

『戻ってほしいも何も変わって...』

変わってないって言おうとしたけど、変わってないことはない...

私ゆずにぃのこと避けてたし...

『でもそれ誰のせいよ。』

町宮「俺...」

『それにもう前みたいに戻ることなんて無理。』

私は楽屋を飛び出した。

なんか今日は特に自分でもわかる。

情緒不安定すぎる...

"ﾄﾞﾝｯ!!"

『あ、すみません...』

前を見ずに歩いていたから人とぶつかってしまった。

山田「A？大丈夫か？」

『え？』

あ、やばい...

私の視界がグラッと動いた...

山田「A！」

私はそのまま前に倒れた。

『ｯ...』

目を覚ました時には見覚えのある部屋にいた。

そう、私の部屋だ。

『どうやってここに...』

河井「目覚ましたか？」

『ゆずにぃ？』

扉の方から顔だけ覗かせているゆずにぃ。

おかしい...

ここにゆずにぃがいるわけがない。

そうだ、これは夢...

河井「風邪やって。」

『風邪...』

河井「山田が楽屋に意識ないA運び込んできたからビックリしたわ...」

『ごめんなさい...』

河井「心臓止まるかと思った...」

ゆずにぃは部屋に入ってきて私の頭を撫でた。

『何でここにいるんですか？』

河井「は？」

『私避けてたし...』

河井「そっか...俺じゃなくて前田の方が良かったよな...」

『克野君？何でですか？』

河井「付き合ってるんやろ？」

『はい？克野君とは付き合ってないですけど？』

河井「え？」

克野君とどこで付き合ってるって発想になったんだろう...？

河井「え、だって今日階段らへんで...」

『あぁ...あれ見られてたんですか...違いますよ。あれは克野君が泣いてたから...』

河井「なんやねん...俺それ見て諦めようと思ったのに...」

『.....諦め？.....』

河井「あっ...」

ゆずにぃはやってしまったという顔をしていた。