crescent～河井ゆずるの場合～ (ページ5)

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Aside
『で、どうしたの？』

前田「あの...次の翔チャレンジで絶対に残りたいんです。」

『あぁ...出ることになっちゃったんだっけ。』

前田「はい。」

翔チャレンジ...

6年以内のマンゲキメンバーの芸人は誰もが通った場所。

翔チャレンジで勝ち上がれた人だけがマンゲキメンバーになれる。

そして翔GPで下位の人もそこに出なければいけない。

いわゆるもう二度と出たくないステージ。

それに出ることになってしまった紅くらげ。

『で、私にできることは？ほとんどないと思うんだけど。』

前田「翔チャレンジまでに俺たちのネタを見てほしいんです。」

『アドバイスしろと？』

前田「お願いできませんか？」

『私はいいんだけど...紅くらげはそれでいいの？』

前田「え？」

『私の意見が入ったらそれはもう克野君と理恩が2人で作り上げられる漫才じゃないよ？』

前田「それは...」

『それに言ったでしょ。自分らの漫才に本人が自信持たないと。』

前田「そうですよね...！」

『そうそう。』

克野君は元気に言っていたけど、それとは逆に目からは涙がこぼれた。

『肩貸してあげるから泣きな。理恩に見せたくないでしょ。』

前田「.....はい.....ありがとうございます...」

前の翔GPの時と同じように私は克野君を抱きしめた。

これをあの人に見られていたなんて私は知らない。