crescent～河井ゆずるの場合～ (ページ1)

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あの一件以来ページ1

河井side
俺はAが好きや。

いつかはこの気持ち伝えなあかんって思って、ずっと過ごしてきた時に入ってきたあの仕事。

透からは理由は聞かされてなかったけど、向こうへ行って理由が分かって俺はこの機会を利用しようと思った。

《貰う覚悟はできてる。》

なんて、キメたセリフ言ってみたりしたけど失敗やったんかな...

あれからAは俺を避けている気がする。

劇場で会ったとしても

『おはようございます。』

河井「おはよう。あのさ...」

『あ、すみません。急いでるので...』

って言うのがもう連続で10回。

1,2回はホンマに忙しいんやろなって思ったけどさすがに10回も続けられると避けられてると思ってしまう。

それやのに野村とは...

野村「昼食べた？」

『ん？まだ。』

野村「じゃあ、行こや。」

『奢ってくれる？』

野村「奢るも何もお前全然食べへんやん。お前のは奢ったうちに入らへん。」

『え、食べてるでしょ？』

野村「食べてへん。」

『うそぉ...』

なんて、仲良さそうな会話をしてどこかへ2人で行ってしまう。

俺とあいつの何が違うねん。

あの時、俺とあいつじゃ言ってることほぼ一緒やで？

稲田「年齢でしょ。」

河井「稲田!?」

稲田「全部声出てましたよ。」

河井「ホンマに？」

稲田「はい。」

稲田が言った通り、俺と野村の違いが年齢なんやったら俺はどうしようもできひん。

俺と野村じゃ、それでも結構離れてるけどやっぱり年齢近いもん。

俺はどうしたらええねん...