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「今日は静かだね、ジョングクくん」
「僕だって勉強しないといけないですからね」
「わ、看護師さんに褒められちゃうね」
そう言いながら、Aさんのベットからは
本か何かを捲る音が聞こえてくる
何の勉強をしているんだろう
俺よりも二歳年上だから、大学生のはず
「じゃあ私、図書室に行ってくるね?」
「図書室があるんですか?」
「うん、良い本があったら借りてこようか?」
俺が入院し始めてから、
Aさんは初めてベットから出た
看護師さんは、
" ベットから出てこない " って言っていたけど
あれはどういう意味だったんだろう?
Aさんはナースコールで看護師さんを呼んで
病室を出ていった
目が悪いと言っていたけど
看護師さんが付き添わないと出歩けない_____?
「ん、検査行くぞ」
「…ユンギ先生、いつの間に」
「Aとすれ違ったよ」
色んな考えを巡らせている間に
ユンギ先生が病室に居て、
週に一度の検査の時間になっていた
「A、良いことでもあった?」
「どうしてそれを俺に聞くんですか」
「Aがいないからに決まってるだろ」
正直、ユンギ先生は掴めない
病室から検査室に行くまでの間
Aさんのことを探したけど
声しか知らないことに気がついて、諦めた
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作者名:21 | 作成日時:2023年5月3日 12時