021 ページ21
.
「ヌナ、誕生日おめでとうございます」
「嬉しい、ありがとう〜」
ヌナの誕生日当日、0時を回った瞬間に
起きているか分からなかったけど
勇気をだしてカーテン越しに誕生日を祝ってみた
誰かの誕生日を祝うって、こんなに緊張するものだった?
「入院してから、誕生日を祝ってくれるのって先生とか看護師さんだけだったから、本当に嬉しい」
「良かったです。健康に過ごしてくださいね」
「うん、ありがとう」
明日の朝には、ジン先生やユンギ先生が来て
俺よりも盛大にお祝いをするんだろう
次に起きた時のことを考えると
自然と口角が上がって
このまま気持ちよく寝ようと思ったその時だった
「…っ、オンマ、っ、」
.
.
ヌナが、声を押し殺してすすり泣いていた
「…ヌナ、?」
名前を呼んでも、いつもみたいに返事は返ってこない
.
「…ごめんなさい、」
そう言ってカーテンを開けようとすると、
足元に包帯が転がってきた
…おそらく、元々は巻かれていたような。
それを見て、カーテンを開けるのをやめた
やっぱり、ヌナの口から聞きたい。
どうして入院をしているのか、はっきりと。
.
331人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:21 | 作成日時:2023年5月3日 12時