光と影【野坂悠馬】 (ページ22)

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神崎｢見返す？

どうやって？｣

野坂｢これ見て、廊下に置いてあって｣

神崎｢王帝フェス…？｣

野坂くんが手渡してきた紙には

大きく｢王帝フェス参加者募集！！｣

と書かれていた

野坂｢これに、出ない？｣

神崎｢え！？無理無理無理｣

野坂｢大丈夫

踊ってる時のAは

誰よりも輝いてるから｣

神崎｢…でも｣

野坂｢じゃあ、Aはこのままでいいの？

Aのこと、何も知らない人たちに

あんな好き勝手言われて｣

神崎｢…｣

野坂くんは私の肩に手を置き

説得するように言った

神崎｢私は

悪口を言われるのは慣れてるし

あの子たちが言うことも一理あると思う｣

野坂｢…｣

神崎｢でも…

あの子たち、それ以外の人も

今まで私のことを見下してた人たち全員

見返して、野坂くんと一緒にいたい｣

野坂｢流石A｣

野坂くんはニヤリと笑って

作戦というものを話した

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それから

私と野坂くんはフェスについての話

参加申し込みをしてから

部活へ行き

その後ダンスのレッスンへ向かった

神崎｢色々、ありがとうね

申し込みとか、野坂くんがしてくれて｣

野坂｢いいんだよ、これぐらい｣

神崎｢でも、どうして

野坂くんが募集要項の紙持ってたの？｣

野坂｢あー…

実は、話聞く前から

Aに出てほしいなーって思ってて｣

神崎｢なんだ、そうだったんだ｣

野坂くんが楽しみにしてくれているなら

自分のためだけじゃなく

野坂くんのためにも頑張ろうかな

神崎｢こんばんは｣

野坂｢こんばんは｣

先生｢あら、野坂くん

今日もいらっしゃい｣

神崎｢先生、ちょっと相談があって…｣

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先生｢そういうこと｣

神崎｢はい、何かいい曲ないですか

今まで踊ったことあるやつでいいんですけど｣

先生｢そういうことなら

新しい振り考えてあげる｣

神崎｢え、でも｣

先生｢ちょうど発表会もない時期だし

そのフェスって来週の終わりでしょ？

Aなら振り、1時間もあれば覚えられるわよね｣

神崎｢…もちろんです｣

先生は

本気になる時だけ私のことを呼び捨てで呼ぶ

つまり

先生はこのフェスに

真剣になってくれているということ

先生｢色っぽくてかっこいい振り付けで

あんたの学校のやつらを

がつんと言わせてやりましょう！｣