光と影【野坂悠馬】 (ページ20)

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野坂｢A、お昼一緒に食べない？｣

神崎｢え？そんな、悪いよ｣

野坂｢大丈夫だよ

僕、いつも西蔭と2人で食べてるし｣

神崎｢そうなの？じゃあ…｣

｢神崎さーん！一緒にお昼食べない？｣

神崎｢え？｣

普段全く話すことのない

派手な女の子のグループが

私の腕を引っ張り誘ってきた

｢私、授業でわかんないとこあって

神崎さん頭いいし、教えてほしいんだー｣

｢私も私も！｣

神崎｢いやでも私…｣

｢いいから、早く早く

こっち来てってば｣

神崎｢ちょっと…｣

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連れてこられたのは屋上

誰もお昼を食べる雰囲気ではなかった

屋上に来るなり

腕を引っ張られて

地面に倒れてしまう

｢なーに、野坂くんとお昼食べようとしてんの？｣

神崎｢別に、誘われたから…｣

｢なんかおかしいと思ってたのよ｣

｢暗くて地味なあんたが

野坂くんの相手にされるわけないのに｣

｢いきなり、サッカー部に誘ったり

お昼に誘ったり、ずっと話したりしてさ｣

神崎｢それは…｣

｢あんたさ、なんか野坂くんの弱みでも

握ってんじゃないの？｣

神崎｢違います

そもそも、野坂くんに弱みなんてないです｣

｢じゃなきゃ、あんたのこと

相手にしたりするわけないでしょ？｣

｢やだー、大人しい顔して

そんなことするいやらしい子なんだ、こわーい｣

神崎｢違います、私は野坂くんに助けてもらって…｣

｢陰キャの分際で

野坂くんのこと語らないでくれる？｣

神崎｢っ…｣

近づいてきたかと思えば

胸ぐらを掴まれる

目を見るまいと

必死に髪で顔を隠す

｢あんたさ、自分と野坂くんの

住む世界が違うってことわかってないの？｣

神崎｢…｣

｢あんたは根暗女

野坂くんは学校中の人気者

野坂くんはあんたなんかが

関わっていい人間じゃないのよ｣

笑いながら去っていく女子たち

住む世界が違う

関わっていい人間じゃない

神崎｢…やっぱりそうなのかな｣