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心臓はあまりに凍えていた ページ12

私の生まれも育ちもジェルくんと同じ大阪なのだ。

私はジェルくんよりも早くに東京へ来た。

ジェルくんのお母さんと私のお母さんは所謂姉妹。

私の家は所謂ネグレクトだった。

私には兄が2人と姉がいる。

父に似た3人はお母さんのお気に入りだった。

お母さんからしたら私は自分に似てるから興味が無いのだと思う。

そしてお父さんは所謂社長という立場で厳しい。

兄は跡継ぎとして優秀だったし、姉も容姿は父に似てよかった。

私はジェルくんと違って、お母さんの血が入っているのにも関わらず凡人顔。

どこにでもあるような家庭。

そう思ってた。

両親は私を必ず家族旅行に行く時、家に置いていっていた。

兄と姉は連れていくのに私は叔母であるジェルくんの家に置いていかれていたのだ。

叔母さんはいつも「この子もなんで連れていかんの!差別や!」って怒鳴ってた。

言葉の意味はわからなかったけど、お母さんはいつも私を「出来損ない」「何も出来ない」と罵った。

そんな母見た兄も暴力を振るい、姉は見て見ぬふりをした。

それが普通だと思っていた私は叔母さんに言われるまでわからなかった。

言われてもわからなかった。

「うちに来なさい、あんたこのままじゃ心が壊れてまうやろ!」

「おばちゃん、Aおうちに帰るよ?おかあさんが、帰ってこんと悪い子やから学校行かせへんっていってた」

「…っ!あのばか!」

「A、帰らないとご飯貰えんくなるから帰るね!」

そういう会話が何度もされた。

今思えばよく外に投げ捨てたり、ランドセルを捨てたりと毒親だった。

兄のサンドバッグになり始めた中学生の頃には、周りの友達からおかしいって言われて初めて知った。

中学の卒業と同時に荷物を持って、お母さんたちには黙って家を出た。

貯金なんてお母さんたちがしてるはずもなく、文無しのままジェルくんの家に転がり込んだ。

でも、大阪にいては直ぐにバレると分かってるから、おばちゃんに頼んで東京の高校へ行きたいと言っていた。

おばちゃんは気にせんでええから行ってきいやと送り出してくれたのが7年前。

そこからバイトしてお金を貯めて大学に行って仕事をして今に至る。

兄からは未だに連絡を取ろうとしてる。

私の動画を何で知ったのか兄から仕事用のメールアドレスにしょっちゅう連絡してくるのだ。

全て無視してるけど、内心はとても怖い。

何をされるのかわからない。

私の兄はあいつじゃない、ジェルくんだ。








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設定タグ:さとみ , すとぷり   
作品ジャンル:恋愛
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はちみつ(プロフ) - はのさん» 2度もコメントありがとうございます。どちらも読ませていただいておりました!特にこう言う界隈は他界隈への影響も大きので少しでもリスナーの意識が変わったらなーと思いつつ書きました。素敵な作品と言ってくださり、ありがとうございました! (2020年2月3日 2時) (レス) id: fdd37857b4 (このIDを非表示/違反報告)
はの - 二度目のコメント失礼します。完結おめでとうございます!更新お疲れ様でした!!こういうことがありえそうなのが怖いですよね…特にこの界隈は年齢層が低いのでそれも踏まえて、ですよね…考えさせられる素敵なお話をありがとうございました。次回作も楽しみです。 (2020年1月27日 1時) (レス) id: d7c684c614 (このIDを非表示/違反報告)
はの - お話の題名が素敵すぎます…!内容も面白いし現実的で凄く素敵です!こんな素晴らしい作品なのに素敵としか言えない自分の語彙力を恨みます…作者さんのペースで頑張ってください!応援しております!! (2019年9月16日 4時) (レス) id: d7c684c614 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月5日 3時

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