［ONE PIECE］いや知らねェよ、って思ってました。今までは。 (ページ32)

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番外編２ページ32

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『♪ずっと1人で抱えていた罪を、私を
何も言わずに支えてくれた

君は私の恩人で
私の中では他人から大好きな人に進化した』

思いついた言葉を歌にして口ずさむ

声に出したら何が変わる訳でも無いけど、少しだけ心が軽くなる

『♪1人で待っていたの？だなんて
聞ける立場じゃないんだよ、私は』

盃を交わした崖の上、深夜に1人で座っていたサボ君が私の声に気づいて驚いたように振り返った

空には丸い月が浮いている

『♪涙は零れてないのに、君の瞳は泣いている』

サボ君を指さしながら頑張って笑顔を見せる

『♪気付いてないの？だなんて
聞ければいいのに、私は

♪無駄に意地を張って、君を1人にするんだ』

頬に手を添えて驚いているサボ君の瞳を、瞼の上から優しく撫でる

『♪ずっと1人で抱えていた罪を、君を
私が支えたいって言ったら君は笑うかな

♪君は私の恩人で
私の事を暗い闇から引き上げてくれた』

撫でた手を離して立ち上がり、月に手を翳してからサボ君の頬をつねった

『♪ずっと1人で抱え込んだ罪を、言葉を
2人で持ちたいって言ったら君は笑ったんだ

♪君は私の大好きな人で
大好きな人から愛する人に進化した』

頬をつねってるのは自分なのに、サボ君のその顔が面白くて笑った

｢にゃんで笑ってんだ！｣

怒る君がもっと可笑しいからだ

私の目からは一滴だけ涙が零れた

『サボ君は私の恩人で、今では凄く大切な人』

それだけ言ってサボ君の顔を隠すように抱きしめてやれば、私の腕の中に居る彼の体は小さく震えた

『私ね、情報屋になって色々な人に関わって世界を知りたいの』

それから

『愛が、知りたいんだよ。私は』

人を愛する事、人から愛される事

それが何なのか、どういう事なのかが知りたいんだよ

独り言のように言えば、涙声でサボ君は笑った

｢じゃあ、Aに愛を1番最初に教えるのは俺な｣

『何それ』

｢兄貴からの命令ー｣

『はぁ？どこが兄だよアホ』

うっせェって言って私にデコピンをするサボ君の顔はいつも通りに戻っていた

2人で手を繋いで家に戻ってそのまま寝て

朝起きた時に顔が熱かったのはきっと、その繋いだ手のせいだ

だから、君のせいなんだ

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