［ONE PIECE］いや知らねェよ、って思ってました。今までは。 (ページ22)

今日:13 hit、昨日:9 hit、合計:152,865 hit

２１話ページ22

.

全部1人で抱えろ、なんて言わない

言ったことなかったけど、お前を大事な妹だと、俺もエースも思ってる

最後に、A。

直接伝えるのが無理になっちまったから、手紙で伝えるな

ずっとずっと、大好きだ。

兄妹弟としてじゃない、レイとは違うんだ

この感情が何なのか、俺にはまだよく分かんねェから

海は広いけど、お前を見つけて、答えを見つけて

必ず直接伝えに行く

だから、待っててくれ！！

そしたら、お前の返事も聞かせて欲しい

Aの兄貴、サボ

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

文字が、滲む

『あほ…っ、死ぬなって、言ってるようなもんじゃん…っ』

生きろって、言われた気がした

死んだら許さねェって怒られた気がした

でも、出来ることならもう1度だけ、頭を撫でて欲しい

もう1度、抱きしめて欲しい

もう1度、泣いていいよって言ってほしい

優しく言葉をかけて欲しい、受け止めて欲しい

言葉でちゃんと

大好きだ

って言ってほしい

"愛が知りたいんだよ、私は"

"ふぅん…じゃあ1番最初に教えるのは俺な"

"何それ"

"兄貴からの命令ー"

"はぁ？"

こんなに人を大切に思ったのも

愛したのも

私は初めてだよ、ばか

こんなに人に想ってもらったのも

愛してもらったのも

私は初めてだよ

君の最初で最後の兄貴命令は果たされたね

私に最初に愛を教えてくれたのは、サボ君だ

『待つよ、ばか…一生待っててやる…！』

あの日、サボ君に泣きすがった様に

サボ君からの手紙を目一杯抱きしめて泣いた

もう、1滴の涙も流さなくていいように。

.

.

.

『おはよ。レイちゃん、エース君、ルフィ君』

次の日の朝、ご飯を用意して、いつもよりも早く家事を終わらせて森へと走った

3人がビックリしてたのは、多分死んだ魚の目じゃなくなってたから

いや、表情は動かないんだけど、気を抜いたら死んでた目が直った、のかな

相変わらず声に、言葉に抑揚は無い

それを兄妹弟は理解してくれるから、無理に直そうとするのをやめた

今は体力作りを頑張っている

私の首にはブルーメタリッククォーツの２連チョーカー

サボ君からの手紙の封筒に入れてあった

"俺の我が儘聞いてくれるなら、会うまでこれ付けててほしい"

だって

お願いじゃなくて命令じゃんって思ったのは内緒

.