［ONE PIECE］いや知らねェよ、って思ってました。今までは。-2- (ページ48)

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番外編ページ48

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これはグランドラインに入る前のお話である

｢お嬢、バラティエが見えましたよ｣

『お、クロカはどーする？』

｢私は船にいます、楽しんできて下さいね｣

1回は必ず食べてみたいと思ってたから、バラティエのご飯を食べに来た

『こんちゃー』

とんでもなく適当な挨拶と共に中に入れば、客も店員も固まった

『え…何、怖い』

私も動けなくて固まっていると金髪スーツのお兄さんがやってきた

｢あぁ、神よ…！僕はこの方にお会いするために生まれてきたのですね
あぁ、恋よ…！僕を落としてくれてありがとう…！｣

くるくる回りながら、目をハートにさせてやってきた

『えと、1人です？』

首を傾げつつ言えば、そのスーツさんは跪いた

｢愛のコック、サンジと申します。貴女に恋に落とされました、僕はその恋の奴、隷と化しましょう｣

『昼食を食べに来た』

｢なんなりと、｣

席にエスコートされ、メニューを渡されるも、それを閉じる

『変な事言っていい？』

｢なんでしょう？｣

『私、貴方の作ったものが食べたい』

あ、石化した

『サンジくーん』

あ、戻った

｢直ぐに作るよ、待っててねぇ♡｣

一目散に厨房へ走っていく姿に笑いながら、料理を待った

『ん～、美味しい！』

｢幸せー！♡｣

デザートまで出してくれて、甘い物大好き人間の私は願ったり叶ったりだ

『ん、美味しかった！』

ご馳走様です！と言えば、急に頭を撫でられた

『サンジくん？』

｢え？あ！ごめん！可愛くて、つい…｣

慌てて離された手を掴んでもう1度頭に乗せる

『気持ちよかったから、もう1回』

あ、鼻血吹いて倒れた

さーせん

『お会計』

｢いや、お代はいいよ｣

復活したサンジくんにそんな事を言われ、キョトンとしていると頬を撫でられた

｢美味しいって言葉と、君の笑顔で、俺はお腹がいっぱいだ｣

『…ふふっ、変な人』

初対面でここまで笑ったのは初めてかもしれないな

『君とはまた会えそうな気がする』

｢会えたらいいな、俺の初恋の人だ｣

『なら、頑張って落としにきてよ』

またね、と言って船に走った

外していた帽子を被り直して、その感触を確かめるようにつばを下げる

『面白い人…』

ボソッと言った言葉は海に消えた

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