［ONE PIECE］いや知らねェよ、って思ってました。今までは。-2- (ページ34)

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５９話ページ34

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『ふわぁ…はぁ…』

根っこの部分に背中を預けて座る

今はコアラちゃん待ち

船から案外遠くてビックリだわ

｢Aちゃ～～ん！｣

声でかくね…ってか何か1人多くね

｢ごめんね！お待たせ！｣

｢何なんだよコアラ…ってかコイツ誰だよ｣

『いやこっちのセリフです。貴方誰ですか』

シルクハット…金色の髪…

貴族みたいな服…

これじゃ、まるで…

｢あ、紹介するね、Aちゃん！こちらサボ君！｣

ま、るで…

｢で、サボ君！この子がAちゃん！
情報屋ラークスパーで、演舞のAの異名を持つ子だよ！｣

｢そうか！こついが！俺ァサボ、宜しくな、A！｣

サボ君じゃん…

｢えええ！？Aちゃん！？どっか痛いの！？｣

『へ、、？』

｢いや、｣

ハンカチを目に当てられる

つーかデジャブ

『ぁ…ご、めんなさ…』

オロオロしてる目の前の2人に、慌てて涙を拭う

『ビトレイド・フィア・D・Aです、サボk…っさん、、宜しくお願いします…』

1つだけ、聞かせてください

『ところで、兄妹弟は、居ますか？』

それだけで、私は…

｢いや…｣

『そ、うですか…』

私は、諦め…られないよ、アホ…

生きてたんだよね、きっと本人なんだよね

だって雰囲気が変わってないもん…全然、変わってないもん…

なのに、そんな知らない人を見る目で見ないでよ…

必要以上に、私を傷つけないでよ、バカ…

『それで、』

隠さなきゃ

『コアラさん』

笑顔を見せなきゃ、

『話って、何ですか？』

泣きそうになる

｢あ、じゃあ！お店行こっか！｣

｢何だよ、ここじゃダメなのか？｣

｢いいから！サボ君は黙ってて！｣

大丈夫、大丈夫…

目が元に戻っても、それでも

それでもいいから、笑顔を貼り付けないと

『ふふっ、じゃあカフェにでも行きますか？』

｢いいね！行こうっ！｣

ヒールの音が

スイッチの音に聞こえた

｢女はそーゆーの好きだなァ…｣

『わー、サボさん、そーゆー事言ってるとモテませんよー？』

自分を守るため

そのために、仮面を付けるんだ

奥底の声を無視して

｢うるせェな！別に良いんだよ、モテなくて！｣

『イケメンなのに勿体ないですね～』

｢イケっ！？知らねェよ！｣

___助けて、心が壊れそうなんだ

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