［○○○］吸血鬼とは色情狂です？ (ページ5)

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ここはページ5

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目を開けて直ぐに脳がグルグルと回転する

見知らぬ天井

見知らぬ匂い

あァ、でも

凄く美味しそうな匂いがする

｢起きたかよい｣

『…ぇ、と』

｢ここは白ひげ海賊団の船だ。上から落ちてきて怪我してるから勝手に手当てしたよい｣

不死鳥マルコ

一応革命軍の端くれ(※幹部です)だから覚えてる

『わ、とんでもない所に拾われてますぅ

感謝します、ありがとうございますですぅ』

｢…よい。それで、何で落ちてきたんだよい｣

『考え事してたら羽に何かがぶっ刺されたんですぅ』

｢そ、そうかよい｣

ハルの説明の仕方に一瞬戸惑いつつも、マルコは頷きを返す

そりゃあぶっ刺された、なんて言われるとは思わないだろう

容姿が整っていてお嬢様みたいなヒラヒラの服を着ているが、別にそうではないらしい

｢俺ァ、マルコだよい｣

『ハルといいますですぅ』

あァ、それは口癖なのか、と理解した時、ノックも無しに思いっ切りドアが開いた

｢俺っちだぜ～！マルコ！可愛い女の子独り占めとはいいどきょ…っ！？｣

｢うるせェよい、サッチ｣

サッチさん、というのだろうか

喋っている途中でハルを見て固まってしまったその人物に、不思議そうに首を傾ける

長く伸びた髪が耳から垂れた

グレーと青が乗ったその髪色は実に珍しいものだろう

｢め…っちゃくちゃ可愛いじゃねェか！予想を遥かに上回ったぜ!!｣

｢だから静かにしろよい｣

何故か喧嘩を始める2人を尻目に、自分の状態を確認する

おでこを触っても角は無いし、羽も尻尾も無い

つまりは吸血鬼に変化してるという事だ

タイミング良く窓から陽の光が差し込み、変な声を漏らして布団にくるまる

｢あれ、どうしたかわい子ちゃん｣

｢ハルって名前らしいよい｣

『吸血鬼はぁ、日光に弱いって習いませんかぁ？』

暫くの沈黙の後、カーテンを閉める音がして顔を覗かせる

『死ぬかと思ったですぅ』

｢あ、あァ…だがよハルちゃん。空飛んできた時は大丈夫だったのか？｣

吸血鬼のままで空が飛べるわけ無いじゃないですかぁ、と気のない返事をしつつ布団から這い出て体を起こす

『悪魔の実ですよぉ？デビデビの実っていいますぅ』

｢そ、れって…｣

｢空想上じゃ、なかったのかよい｣

『ですですぅ』

ふわり、と笑ったハルの口から、その表情には見合わない尖った歯が覗いた

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