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のりき ページ4

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『おはようございますぅ』



帰ってきた時よりもツヤツヤしてるハルを見て、コアラは溜息をついた



「おはよう、ハルちゃん」



『わ、ありがとうございまぁす』



渡された赤ワインをグラスに移し、飲む



「またしたの?」



『ですぅ、やけにサービスが良くて戸惑っちゃいましたぁ』



普段はやるか血を吸うかのどっちかしかさせてくれないサボが、両方許してくれたのだから、ハルの中では一大事件なのだ



自分の軍の参謀総長と幹部のそんな話を朝から聞かされる身にもなってほしい



『いつもサボさんが居てくれればいいですけどぉ…そうもいかないじゃないですかぁ』



「まァそうだよね」



コーヒーを飲みつつハルの話を聞く



群青の瞳が赤ワインを写してよく分からない色になった



『サボさんが1番いいんですけどね…』



「…ハルちゃん?」



口調が微妙に抜けたハルに、コアラは手を止めて顔を覗き込む



突然バッ、と上へ顔を上げれば、パチクリと大きな目を驚いた様に開閉するコアラ



『ちょーっと、遊んできますですぅ』



「えぇ!?」



昨日帰ってきたのに!?という言葉はもう届かない



せめてもの、という気持ちを込めてハルの隣にいつも居座る狼の上に電伝虫を乗せた



窓からパッと飛び降りてクルクルと回る内に、ハルの体は変化する



付けていたマントらしきものは黒い羽に



おでこからは2本の角が生え、尻尾も生える



その見た目は、まるで悪魔だ



デビデビの実



『んふふ、』



その実を食べた者は、人間としては生きられなくなる



唯一、全ての悪魔に好かれた実



それが、デビデビの実



別に食べたくて食べたんじゃないけれど



今はこれがあって良かったと思う



『あわよくばヤれたらいいですぅ』



サボさんより良い人が見つかれば



迷惑をかけないで済むかもしれない



なんて



悪魔が何を言っているんだ



その時、自分を狙うそれに気付けなかったのは



サボさんのせい、とでも言っておこう



.

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作者名: | 作者ホームページ:http://Nano  
作成日時:2017年12月10日 13時

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