［○○○］吸血鬼とは色情狂です？ (ページ11)

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みぎうでページ11

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｢ハルさんって総長の右腕って感じっスよね｣

書類を渡しに来た部下から唐突にそんな事を言われ、ハルは持っていた書類から一瞬だけ目を逸らした

『そうですぅ？』

｢はい、いつも一緒に居て、息もピッタリじゃないっスか｣

『まァ、そんな大それた関係じゃないですけどぉ』

｢部下と上司、っスか？｣

『…うぅん、まァ、そうなんじゃないですかぁ？

気になるなら、本人に聞けばいいと思いますぅ』

パチ、と指を鳴らせば、ドアが勢いよく開いた

そこに居たのは話していた人物

つまりサボだ

｢総長っ！？｣

『で、私達の関係は何なんですかぁ？』

｢…知らねェよ｣

その言葉にハルはクスリと笑って手を出した

そこに書類が置かれ、1度キスを落としてからサボは部屋から出ていった

流れるように、当たり前の様にされたその行為を目の前で見た部下は顔を赤くさせる

『んふふ、優しくて紳士で、とても良い方ですよねぇ』

｢そ、そうっスね！｣

失礼するっス！と慌てて出ていく部下に、ハルはまたも笑みを零した

立ち上がって窓を開ける

空にはいつもより眩しく感じる太陽があって、羽の傷が少し痛んだ

自分を狙ったのは誰なのか、何の為に狙ったのか

そんなものは分からない

ただ、思い出されるのは

下劣な者のいやらしい顔、何度も焼き付けられた死への恐怖

あァ、もう

カタカタと小さく揺れる体を抱えて座り込む

こんな記憶、消してしまえれば良いのに

ふわりと温かいものに包まれて、次第に体の震えが止まる

｢ハル、｣

『サボ、さん…？』

体を預けて、胸に擦り寄る

サボはそんなハルを抱えてベッドへと降ろした

『サボさ、』

首に腕を回して引き寄せる

震える体はただ人の温もりを求めていて

『こわして、ください』

貴方の右腕として、相応しい方は他に居ます

それでも、その方が見つかるまでは

｢…意識ぶっ飛んでも知らねェぞ｣

『、はい』

貴方の傍で居させて下さい

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