３５話 ページ36
.
サボの腕の中で大人しくする
シルクハットが落ちる音がしたけど、それ以降はお互いの心音しか聞こえない
何時間にも感じられるような、心地いい沈黙が流れ、それを破るようにサボが呟いた
｢怖いっての、やっと意味が分かった｣
ほら電伝虫の、と言われてえ！？と叫ぶ
サボはお前も叫ぶんだなとか言ってるけど今それどうでもいいです
それよりあの時電伝虫が切れてなかった事に驚きです
｢俺が怒ってるとでも思ってんのかって、勘違いしてた｣
『…事実怒ってたクセに』
｢それは別だろ｣
ぎゅ、と腕の力が強まって息が苦しい
けど、それを咎める気にもならない
『…ただいま、サボ』
｢ん、おかえり。A！｣
満面の笑みで力一杯抱きしめてから頭を撫でてくれた
1度だけじゃなくて、わしゃわしゃって
あァ、もう
『好き、だ…なァ』
驚いた声を上げたサボを見上げる
真っ赤な顔がそこにはあって、吹き出しそうになるのを必死で堪えた
｢っ、｣
ぐ、とサボの胸に顔を押し付けられる
目の前にある服をきゅ、と握った
｢…も、｣
何かを呟いたのが聞こえたけど、内容が聞き取れなくて顔を上げれば、目を手で隠された
｢俺も、好き｣
次に耳に声が入ってきて、思考が停止した
パッと手が目から離された時には、ほんのりと頬を染めたサボが私の大好きな笑顔を見せていて
『〜〜〜っ』
ぶわっと顔に熱が集まったのが分かった
『、ずるい』
｢はぁ？Aには言われたくないな｣
『うるさい』
こんな事なら帽子持ってくれば良かった
サボは落ちたシルクハットを拾って私に被せた
｢部屋戻るだろ？｣
『うん』
私が今日1日部屋で全部する気なのが分かってるらしい
出てた時の書類とか、報告書だとか
それ持ってっといて、と言われて頷く
こうやって大事な帽子を預けてくれたりする所とか、好きだったり
するんだけど
『今日は一緒に寝ようね』
｢はっ！？…っ、わ、かった｣
歯切れの悪い返事を聞いてからご機嫌で部屋へと戻る
首にかけられたゴーグルを触って、頬を緩めた
あァ、私はなんて単純なんだろう
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 99人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
音海 永愛(プロフ) - すっごく面白いです。頑張ってください！ (2018年9月5日 13時) (
レス) id: a04e929a54 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 全部面白くって飽きませんんん！！いや私も好きすぎますね、応援してます！ (2018年7月16日 10時) (レス) id: 3dab1a0015 (このIDを非表示/違反報告)
祥(プロフ) - みかんさん» んんん！？ぜぜぜ…！？んん！？(言葉にならない)嬉しい通り越して愛しいんですけど、え、好き。頑張ります！ (2018年7月15日 16時) (レス) id: cb00cb1df7 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - いやもうめっちゃ似てます笑笑実はしょうさんの作品ほぼ全部見てたりしますね！笑こっちの続きも楽しみにしてます！！ (2018年7月14日 8時) (レス) id: 3dab1a0015 (このIDを非表示/違反報告)
祥(プロフ) - みかんさん» やめて！主ちゃんと一緒にしないで！(失礼)はい。えっと、えっと、ありがとうございます！なんかもう、もう、ね！(語彙力)この小説の主ちゃんは気に入ってるので嬉しいです！笑これからもよろしくお願いしますね！更新頑張ります！他の作品も読んでね！(露骨な宣伝) (2018年7月13日 16時) (レス) id: cb00cb1df7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：祥 x他1人 | 作者ホームページ：http://Nano
作成日時：2017年12月6日 19時
