［ONE PIECE］いや知らねェよ、って思ってました。今までは。-3-

９３話 ページ22

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ベッドから起き上がってドアに向かう



服は着替えさせてくれたみたいで、濡れていない



ドアノブを掴もうとしてそれが消えて、手は空を切った



｢あれ、Aちゃん？飯持ってきたよ｣



『うん、ありがとう。でも帰還命令が来たから』



皆にお礼言いに行く、という願いを取り敢えずは聞いてくれた

でも飯は食えって言われたから大人しく食べる



｢敵船だー！｣



という声が外から聞こえてきて、船内が慌ただしくなった



｢ちょっと行ってくるな…ってあれ？｣



サッチさんがベッドを見た頃には、もう抜け出していた



エース君の部屋へ戻って着替え、すれ違う人からかけられる言葉に適当に返しながら甲板へと走る



『わ、人多い』



｢A！？何で出てきてんだ！｣



いや私戦えるし



『今敵船に誰がいるの？』



｢4番隊が真っ先に行ったよい、食糧が欲しいんだと｣



コックさん怖い



ふーん、と返しながら関節を鳴らす



『ちょっと、運動してくる』



｢は！？｣



エース君の静止を無視して足に力を込める



サッチさんが驚いた顔をしているのが見えたから、パチンとウインクをしておいた



数秒で片付け、敵船内で立っているのは味方だけになった



ふぅ、と一息ついてから鉄パイプをクルクルと回して地面に突き立てる



『っ、痛い』



｢痛いじゃねェよ！病み上がりだって事分かってんのか！？｣



エース君に頭を叩かれて抑えて蹲る



顔には出ないけど凄く痛がってるんですからね



『だって、帰ったら任務だし』



モビーディックに戻ったら、サッチさんが戦利品とやらを皆に見せびらかしていた



その時感じた殺気に周りを見回す



『…ティーチ、』



｢A？｣



『何でもない』



｢お嬢、お迎えに来ました｣



バサッと私の前に降り立って人の姿に戻るクロカを一瞥し、またティーチに視線を戻す



『…クロカ、1日だけ待って』



｢御意にございます｣



やっぱりクロカが1番話が通じる



何故と言わなくても分かってくれるから、有難い



割りと人が集まってる食堂に足を向ける



『お騒がせしました。帰還命令が出たので明日本部へ帰ります』



｢Aもう帰るのか！？｣



1番に飛び付いてきたエース君を軽くあしらって言葉を続ける



『今までお世話になりました』



深々と頭を下げたら、笑い声が返ってきた



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