“市“国は世界会議に出るそうで。【ＡＰヘタリア】 (ページ8)

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Episode Ⅵ ページ8

『すー…』

「…寝てしまわれましたね、バチカンさん」

「そうだね…」

「やっぱ疲れたんじゃない？」

「まーそりゃあ疲れるあるよ。このメンバーなら」

寝ているバチカンの隣に座っている俺と、その向かい側に日本、日本の隣に中国、そして中国から三つ程席を開けた先のフランス兄ちゃんと、小さい声ではあるけれど、すこしのコミュニケーションをとる。

「…バチカン市国って、国自体が世界文化遺産なんでしょ？そんな綺麗な国があるんだねぇ」

ふと疑問を口に出したのはフランス兄ちゃん。

綺麗…というか美しいものが大好きなフランス兄ちゃん…好きそうだよね。

「ヴェー…。俺の家の一種の観光地みたいなものだから…」

「なるほど。そういうことあるか」

「不思議な国もあるものですね…」

納得した、と頷いている中国と、さっきまでの一連の会話を聞いて改めて思ったのかな？日本が呟いてる。

「…ん？じゃあつまり、バチカンはイタリアの妹ってこと？」

「ヴェー？そういうことだよー。一応は」

「一応？」

一応は。

その言葉に違和感を感じたのは言った本人である俺も一緒だ。

バチカン市国は、紛れもなくイタリア(俺の家)の中にある。しかし、俺の妹と称していいのか分からなくなるほど、“国としての生“が短い。
今年で８８年くらいかな、と思うほど、短い時。
まぁ兄ちゃんのことを兄ちゃんって言ってるし、兄妹のはずなんだけど…。
正直、そのへんはよく分からない。
だって、イタリアの中にある国なのに、イタリアが関わってない国とかとも外交してるからね？？
多分、いや、絶対俺や兄ちゃんよりもたくさんの国と関わってると言える。

「…俺も…兄ちゃんも、正直、よく分かってないんだ。俺達以上にたくさんの国と関わってるし、正直ほんとにイタリアの中にあるのか疑いたくなるし」

「…そうなんですか…」

「実際に、聞いた話だと、【よく覚えてないんですけど、１８０カ国くらいと国際連合とかマルタ騎士団の大使とか…そういう類は受け入れしてますよ】とか言ってたしね…。」

ほら、今だって。
フランス兄ちゃんの言葉に確信をもったけど、ここにいるメンバーと１度バチカン市国は関わってる。
ただ、それがバチカンがいる時の話なのか、将又バチカンが覚えてないだけなのか。
どちらにせよ、関わってるのは同じだ。

日本の呟きを聞きながら、俺はバチカンの頭を撫でた。