【どうして】京都出身個性派歌い手、なぜか人気歌い手に知り合ってしまいました【こうなった】 (ページ5)

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上京したいんだ!!(プロローグ) ページ5

～次の日～

《午前８時》

学校が休みな今、彼女は一人でパソコンの前に座り込んでいた。

『はぁぁ…再生回数伸びとるかなぁ…。昨日は結局投稿したあとすぐ寝たし…』

昨日から晴れて歌い手デビューを果たした彼女は、笑顔動画のホーム画面で止まっていた。

『こ、ここで踏みとどまるわけには…！うちは歌い手。自分の動画の再生回数くらい見とかんと…！』

自己暗示をかければ、いざっ！と一息ついて自分の動画を探す

『…………へ？』

間抜けな声を出した彼女の目に映ったのは…

｛再生数:25,775 コメント数:6955 マイリスト数:3520｝

の文字。

人気歌い手から見れば、少なくも感じるかもしれない。しかし、1晩しか立っていない、新米歌い手は口をあんぐりさせながらその文字を見つめていて

『はっ…？』

やっとの思いで状況整理をする彼女。

口を抑えつつ、動画の再生ボタンを押して。

『ま、まぁアンチコメントが多いかもやし…』

彼女としては珍しい、消極的なことを呟けば、コメントＯＦＦにしていたものをONに切り替えて。

〈耳に残る声だなー
〈幼い感じがするけど普通に好みの声
〈初投稿なのに結構クオリティ高くてびっくり

『…え』

彼女の目に映った、次々と流れていくコメント。

アンチも見えるが、ほとんど賞賛コメントで。

『…か、母さんんんんんん！！』

母「うっさいわぁ！黙れ！なんや！」

『こ、コレ見てコレ見て！』

母「…！？これ、あんたが投稿したやつよな？」

『そうに決まっとるやろ！？逆に違うと思う！？』

母「いや、この特徴的な声はあんたしかいないわ！」

二人して慌て出す親子。いつもならここで父が入ってくるが、生憎今日は仕事なのだ

『ど、どどどどうしよう！？生放送した方がいい！？』

母「よ、よく分からんけどした方がええんちゃう！？」

『じ、じゃあやる！』

そう叫んだ？彼女はノートパソコン片手に階段を駆け上がっていく。

その場に残されたのは、人気のなった、声の張本人である娘を眺める母であった