無口な妹と人気声優達

覚悟の仕事 ページ13

今日は新しく始まるアニメの作画スタッフとして関わる事が決まりその製作発表の会場に来ていた。

「緊張する…」

森「今日服どうする？」

「んーどうしようかな…」

森さんは何かイベントがある時必ずスタイリスト兼メイクさんとして私の基本的な部分を補ってくれている。

森「一応スーツとかも用意してきたけど」

「あっじゃあこの服とジャケットでもいい？？」

森「いいんじゃない？作品のイメージとも合ってると思う。」

「じゃあそれで。髪型はいつも通りお任せします。」

森「ハイハイ。でも今回は珍しいねアニメの作画スタッフなんて」

「あー確かにね。」

今回、作画スタッフとして関わる事になったのはちょっとした事件がきっかけだった。

〜半年前〜
いつも通り、お世話になっている企業さんとの新規イラストの打ち合わせをした帰り道、街を歩いていると記者から声をかけられた。

記「突然すいません。イラストレーターの江口Aさんですよね？」

「…そうですけどなにか」

記「少しお話をお聴きしたいのですがよろしいでしょうか？」

そう言われ、断り家まで着いてこられたら迷惑だったため、移動している間に裕一郎さんと兄、それと良平さん、代永さんのいるグループLINEに連絡を入れて置いた。

「でお話というのは？」

記「これなんですが…。単刀直入にお聞きします。これは事実ですか？」

そこにはどこから調べたのか両親のことが書かれている書類と、私の絵が盗作だという記事だった。

両親は私が大学卒業する頃、交通事故で亡くなっていてちょうど上京をする頃と重なっていたためまだ大人になりきれていなかった私は兄にほとんどのことをお願いしていた。

記者が見せてきた両親の書類には、交通事故で亡くなったこと、それまでの実家での私の生活などが書かれていた。

「これはどこで？」

記「情報源をお教えすることはできません。」

「ではこちらも何を聞かれてもお答えすることはできませんし、両親の事は教える事できません。」

記「ご両親が亡くなられた交通事故未だに犯人が捕まっていないという事は事実ですか？」

「それについてもお答えする義務は私にありませんよね」

記「まあご両親の事はどうでもいい事です…。本題はこちらです。盗作というのは本当の事でしょうか？」

「それは事実無根です。私は1つ1つの作品を真剣に向き合って唯一無二になれるよう作成してきました。」

記「ですかこれだけの似た作品があるのですよ？」

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