ノンシュガー (ページ5)

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“Aさん！”

ついさっきまであんなに名前で呼んできてたくせにいきなり苗字にさん付けしてきたから不審に思った。

「なんでいきなり苗字呼びなんですか？笑」

“いや、よくよく考えたら年齢も聞いてないし
2度目ましての人にタメ口で話すのもおかしいことに気が付きましてですね。”

なんだか訳のわからない話し方で訳のわからないことを言っている彼はほんとに不思議な人だ。

“まず俺の自己紹介からしますね。

松田元太って言います。
趣味は買い物。特技はダンス。
歌も得意です！”

ダンスに歌…

はは笑なんだかほんとに芸能人みたい笑笑
なんで呑気なこと考えてたら

“芸能活動してます”

彼はとんでもない爆弾を簡単に落としてきた。

「……え…。……えっっっ？！」

驚いた私をみて彼は目をまん丸にする。

「芸能人ってこと…？」

“そんな大したことないけど笑”

「芸能人って自分が芸能人ってほぼ初めましての人に言っていいんですか？」

“うーーん？わかんないっす。
けど隠したくなかったから”

「な、なんか、芸能人が横にいるって、緊張しますね．」

“はは笑
で、Aさんについて教えて下さい！”

「え、えーっとAAです。
って特にいうことないんですけど…」

“年齢は？”

「18、もうすぐで19」

“え”

「え？」

“あんまり大人っぽかったからてっきり俺より上かと”

「松田さん何歳なんですか？」

“21歳です”

「え、見えない。もっと上って感じ」

“よく言われる笑笑”

なんてお店の前のベンチで他愛もない話で盛り上がった。

近くにある時計広場の時計を見ると

あと５分で日を跨ぐ時間だった。

「松田さん！ケーキ！大変！こんな時間！」

“わわわ！やばいー！怒られるーーー！！！”
　

「たしか、７人って言ってましたっけ？これからパーティですか？」

“そうなんですよ。あ、よかったらきます？”

「いや、遠慮しておきます」

“ですよね～笑笑”

「そろそろ帰りましょうか。ケーキも早く皆さんのとこに届けないと！」

“ですね。Aさんメリークリスマース！また！”

彼はそういうと行ってしまった。

なんだか不思議な人だったけど、

年下の私にも敬語でいい人だな。