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Genta side
仕事終わり、夜ご飯を買いにコンビニに来たら
見覚えのある後ろ姿があった。
トントン
俺は彼女の肩を叩いた。
“どーーも。”
彼女は少しびっくりしてから
「あ！松田さん！」
と笑顔を見せてくれた。
“夜遅くに一人ですか？”
「はい、ちょっとお腹すいちゃって」
そう言いながら彼女はさきいかを見せてきた。
“Aさん渋いっすね〜笑”
「私甘いの得意じゃないんです」
“ケーキ屋さんなのに？！”
「はい笑笑おかしな話ですよね笑」
“俺もさきいか食べたくなってきた〜”
「わぁそれはもう食べましょう！」
“買っちゃうか！酒のつまみに”
「松田さんお酒強いんですか？」
“まぁ強いっちゃ強い”
「そうなんですね。なんかいかにも強そう。
私も飲みたいな。
そろそろお会計してきます。
ではまた！」
“また！”
コンビニを出て、さっき買ったビールを開けると
少し前に
Aさんが歩いていた。
もしかして家同じ方向？
“おーーーーーーーーーーーーーーーい！”
彼女は振り返って俺の方に近寄ってきた。
「松田さんもこっちなんですか？」
“はい！俺あの電柱曲がってすぐのマンションです！”
「近いです！私は二つ先の電柱を曲がったところです！」
“え！あのでっかいタワマンですか？”
「ま、まぁ…」
“一人暮らしなんですか？”
「そうです！地元から出てきて」
“出身どこなんですか？”
「埼玉です」
“え、一緒っす！！！
まじか〜。Aさんも埼玉なんだ〜
なんか嬉しっす”
「松田さんも埼玉なんですね。」
彼女は少し寂しそうな顔をした。
俺は右手に持ったビールを一口飲んだ。
「私あと一年で成人かぁ」
“Aさんどんな２０歳になるんでしょうね”
「今と何も変わらないと思います笑笑」
“でもあと一年っすよね？
何かしら変化はあるんじゃないですか？
例えば……彼氏とか”
「どうでしょう、私恋愛下手で。
あと一年で大人な女性になれるのかなぁ」
“なれますよ。絶対”
好き。
今にも溢れ出そうな言葉を飲み込んでそう言った。
「ふふ笑笑ありがとうございます笑笑」
“じゃ！俺こっちなんで！”
「はい！」
“Aちゃん早く大人になってね”
俺はそう言って別れた。
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作者名：げん | 作成日時：2020年11月8日 19時
