変わった兄妹 【太宰 治】

9話 ページ10

太宰side

今日はどんな自 殺方法をしてみようかと考えていた

やっぱり入水がいいのか？でも失敗すると濡れる

一人で悩んでいると、携帯が着信音を知らせた

姐さんからだった

話があるから来いと

大方Aのことだろう

多分、”躾”の事はもうバレてる

あれだけ殴るんだ、最近は怪我も多い

自分でも分かっている

私のAへの躾はかなり厳しい

妹だからといって特別扱いはしないし、したくもない

私の妹なのだから、あれくらい耐えて貰わなければ困る

ただ、あの子を躾する時

私はいつも動揺している

あの子の考えが、感情が分からない

他の人なら大体わかるのに

あの子だけは分からない

私にどれだけ殴られても、泣く事すらしない

謝りはするけど、泣き言も言わない

部下への配慮もとても優しい

昨日も、部下がいなくなった後躾をしたけど、やっぱり泣かなかった

ただ謝るばかりで、血を流す程殴られているのに

あの子の目は何時でも、何処か遠くを見ていた

まるで殴られているのを何とも思っていない様な

それが当たり前と思っているような目

だから、腹が立つ

何故反抗しない、何故抵抗しない

あの子は私に自分の意見を言わない

私の前では常に無表情

姐さんや中也の前では笑ったり、意見したりするのに

私には何も話さず、ただ従って殴られる

ただただ、ごめんなさいと言って従うだけ

考え込んでいると、姐さんから二通目のメールが来た

早く行かなければ、金色夜叉出しそうだから早く行こう

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