44話 ページ45
太宰side
家に帰ると鍵が開いていた
Aは普段絶対に鍵を掛ける
私がそう躾けた
まぁ、鍵を掛けるのは一般的常識だろうけど
玄関に入れば、見覚えのある靴があった
太宰「中也？」
Aの靴もあるから、恐らくAが呼んだんだろう
なんの用があって中也を呼んだんだあの子は
理由次第では、厳しく問い詰めなければ
そう思ってリビングに行ったが、誰も居ない
となると
太宰「寝室か」
中也に限ってないとは思うけど、Aに手を出していた場合は最高の嫌がらせをしよう
Aの寝室の前に着くと扉が開いていて、案の定中也がいた
太宰「ちょっと、人の家で何してるの、中也」
私の声が聞こえると中也は不機嫌な顔で振り返った
中也「あ？てめぇが家に居ねぇから、俺が代わりに看病しに来たんだよ。クソ太宰」
太宰「は？看病？何の……」
そこで何となく察した
Aが体調を崩したんだ
Aは体調が悪くても誰にも言わないタイプだ、誰かを呼ぶって事は相当悪いんだろう
太宰「……Aか。何、熱でも出したの？」
Aが寝ているベッドに近寄って視線の高さを合わせて、屈んだ
寝ているAは苦しそうに息をしている
これは相当悪い
太宰「これ、だいぶ熱高いんじゃない？」
中也「40.0越えだ、俺が来た時リビングで机に突っ伏しててめぇを待ってた」
太宰「私を？何故？」
中也「あ？てめぇ分かんねぇのかよ。てめぇより先に寝たら、怒って躾られると思ったんだろ。直ぐに寝ろつったのに、最初断りやがった」
先に寝たら怒られるなんて
この子にとって、私は完全に恐怖の対象なのかもしれない
けどこの様子で、自力でここまで歩けるとは思わない
太宰「……中也がここまで運んだの？」
中也「だったら何だよ、都合が悪ぃ事でもあんのか？」
別に都合が悪い事なんてない
なのに、何故か不愉快な気持ちになった
中也がAに触れた
それを再認識すると、言い様のない感情が押し寄せた
中也「後はてめぇが面倒見ろ、今は飯食えねぇだろうから水分だけは取らせろよ。それから、今は何があっても──」
太宰「躾はするなでしょ、分かってるよ。病人を躾る程私は鬼じゃない」
中也「どの口が言ってんだか、じゃあな」
一刻も早くAから離れて欲しくて、目で訴えると中也もそれに気付いたんだろう
早々に帰った
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奏(プロフ) - 初めまして！読みさせていただきました！とてもおもしろく文ストの中で一番お気に入りになりました！ (2022年3月6日 11時) (
レス) id: 58f865f500 (このIDを非表示/違反報告)
狂 - あのー33話の「あぁ、聞いていたよ。泣きはしないけど……」のところ太宰さんではないでしょうか？織田さんになっているので、違っていたらすみません。(..) (2021年7月10日 18時) (レス) id: 9d7ef0cd22 (このIDを非表示/違反報告)
狂 - あまり見かけないような内容と設定にひかれました！たのしみにしてます！更新頑張って下さい！(о´∀`о) 追記自傷無色に少し似てますね (2021年7月10日 18時) (レス) id: 9d7ef0cd22 (このIDを非表示/違反報告)
0wh790112p351y(プロフ) - 初めてましてです！本当に面白かったです！夢だと思ってるシーンで泣いてしまいました、、更新、応援しています！ (2020年7月19日 18時) (レス) id: ff99cc9e63 (このIDを非表示/違反報告)
rin3636(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく拝読しています。他にはない設定ですっかりハマってしまいました！大変かとは思いますが更新頑張って下さい！ (2020年7月18日 23時) (レス) id: 72a1d947af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリウ | 作成日時：2020年7月8日 15時
