4話 ページ5
太宰side
Aが懐からナイフを取り出した
そういえば、Aはナイフの扱いがずば抜けて上手かったっけ
体術も力では負けるけど、中也と渡り合えるほどには強い
けれどそれを中也が止めた
尋問をしていないから殺すのは後だ
どうせなら殺すな、とか言ってくれれば泣ける話なんだけどね
中也が鎖を外して暫く私を尋問した
けれど私の方が上手
少しいやがらせもした
久しぶりの再会だ、これくらいのサプライズはしたかった
『ちょっと中也、殺さないの？』
Aが不機嫌そうに私を見た
中也「いつか死なすから問題ねぇ」
『いつかねぇ、僕は………今がいいのに』
その直後
私は壁に叩きつけられた
太宰「(強くなったね、あんなに弱々しくしてたのに)」
『尋問終わったじゃん、後は好きにしていいでしょ〜？ねぇ、兄さん？僕ね、今紅葉姐さんと同じ拷問専門の部下持ってるんだ。四年前、兄さんが組織を抜けてからずっと考えてた。どうやって拷問しようかなって』
太宰「……」
Aの瞳に、昔の様な光は見えない
この子のこんな顔を見たい訳じゃなかった
四年ぶりに見る顔が、貼り付けた笑みなんて嫌だ
いや、私が組織を抜ける少し前からか
あの日から、Aは変わった
変わってしまった
あの日以降、少なくとも私はこの子の目に光が宿ったのを見た事はない
『兄さんは、いつから僕が嫌いになったの？ずっと気になってたんだぁ、僕何かしたかな〜って。心当たりが無くてねぇ、無能な妹でごめんね兄さん。もっと優秀な妹が良かったよねぇ、うんうん。分かるよ、ひとは優秀に越したことはないからね。全く、昔の自分に言ってやりたいよ！あはは！』
心当たりが無くて当然だよ
君は何もしていないんだから
嫌いなんかじゃない
君を嫌いになった事なんか一度だってない
ずっとずっと、大事な妹なんだ
無能でもない、寧ろ優秀過ぎたくらいだ
本当に、四年前の私は愚かでバカだね
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 395人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
奏(プロフ) - 初めまして！読みさせていただきました！とてもおもしろく文ストの中で一番お気に入りになりました！ (2022年3月6日 11時) (
レス) id: 58f865f500 (このIDを非表示/違反報告)
狂 - あのー33話の「あぁ、聞いていたよ。泣きはしないけど……」のところ太宰さんではないでしょうか？織田さんになっているので、違っていたらすみません。(..) (2021年7月10日 18時) (レス) id: 9d7ef0cd22 (このIDを非表示/違反報告)
狂 - あまり見かけないような内容と設定にひかれました！たのしみにしてます！更新頑張って下さい！(о´∀`о) 追記自傷無色に少し似てますね (2021年7月10日 18時) (レス) id: 9d7ef0cd22 (このIDを非表示/違反報告)
0wh790112p351y(プロフ) - 初めてましてです！本当に面白かったです！夢だと思ってるシーンで泣いてしまいました、、更新、応援しています！ (2020年7月19日 18時) (レス) id: ff99cc9e63 (このIDを非表示/違反報告)
rin3636(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく拝読しています。他にはない設定ですっかりハマってしまいました！大変かとは思いますが更新頑張って下さい！ (2020年7月18日 23時) (レス) id: 72a1d947af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エリウ | 作成日時：2020年7月8日 15時
