変わった兄妹 【太宰 治】

34話 ページ35

Aside

『これはまた……随分と派手にやられたね』

今僕は任されている管轄にある、ポートマフィアの小さな武器庫の入口にいる

そして目の前には重症の部下が数人

部下が重症を負い、武器庫の一部も所々壊されていた

全くもって、とてもとても迷惑極まりない

どうしたものか

もう間もなく兄さんが来てしまう

『怪我人はこれだけ？』

「はい」

『武器は盗まれたの？』

「いえ、壁は一部壊されましたが、武器は何とか死守しました」

『よくやった、救護班を呼ぶ。止血をして安静に、もうすぐ兄さんが来る』

「太宰幹部が？」

『僕の管轄で起こった事だからね。小さいとはいえ、ポートマフィアの武器庫を襲われたんだ。間違いなく、兄さんからは叱られるね』

「……申し訳ありません」

『あぁ、ごめん。謝らせたい訳じゃない。僕の管理も甘かったんだ、気に病むな』

僕が部下に気に病むな、と言った直後

足音が複数近付いて来た

勿論足音の主は兄さんと、兄さんが引き連れた兄さんの部下

兄さんの目は氷の様に冷たい目をしている

想像したくないけど、これはいつも以上に後で躾られるな……

『兄さん、僕の管轄下にある武器庫が襲われました。部下が複数名重症、救護班を呼んであります』

太宰「……武器は、盗られたの？」

『いえ、武器は死守しました』

太宰「そう。報告があった時点で、調べは済んだ。罠を張った、もうそろそろ掛かる」

兄さんが自分の部下を引き連れて歩き出す

着いてこいというか意味だ

『お前達は救護班が着き次第待機、治療を受けた後、本部へ戻れ。武器庫には替えの警備を配置する、療養に専念だ』

部下に指示をだすと急いで兄さんのあとを追い掛ける

遅れでもしたら躾が散々になる

いや、僕の管轄下にある武器庫が襲われた時点で、兄さんの過激な躾はもう今現在でも確定だ

35話→←33話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す