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23話 ページ24

太宰side

Aを先に帰らせた私は

自分も帰路に付いていた

住んでいるマンションが手前に見えた時

見覚えのある黒服達が数人いた

太宰「何してるの?」

「太宰幹部、お疲れ様です!」

黒服達の足元には袋に包まれた大きなもの

太宰「君達、こんな場所で殺したの。場所、考えなよ」

「いえ、殺したのは私達ではなく、太宰幹部補佐です」

太宰「Aが?」

「はい。先程、我々に連絡が届きまして。”狙ってきた奴を始末したから、処理を頼む”と」

太宰「……そう、処理ご苦労さま」

黒服達の横を通り過ぎて、エレベーターの乗って玄関を開ける

勿論玄関にはAの靴がある

無事に帰れたのは良かったが、まさか始末しながら帰るとは思わなかった

太宰「(無事に帰れたのは良かった?何故私は、あの子の心配をしている?心配なんかしなくてもいい筈なのに……)」

自分の思考に驚きながらリビングのドアを開けると、部屋着でソファにAが座っていた

机にはパソコン

『おかえり、兄さん』

振り返ったAの顔を見て、私は目を逸らした

痛々しかった

左目に残る、消えない傷跡が

Aの左目はもう殆ど見えていない

任務で敵に気づかず、振り返った所を切られた

それを中也と知った時、中也は焦りに焦ってAを大丈夫かと言いながら抱きしめてたけど

私はただ見ていた

Aを抱き締めるなんて、出来なかった

だって、その時のAは何だか何も見えていない

暗い暗い、闇の中に佇んでいる様な目をしていたから

普段から躾をしている私が抱き締めても、Aは喜ばないだろう

あの左目も、私がAを含めた部下達の配置をしっかりと考えていれば、視力を失う事もなかった

Aなら大丈夫だろうと過信して、一番敵の固まっている場所にAを配置した

そのせいで、左目の視力を殆ど失ったと言うのに

Aは一言も、文句も泣き言も

何も言わなかった

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(プロフ) - 初めまして!読みさせていただきました!とてもおもしろく文ストの中で一番お気に入りになりました! (2022年3月6日 11時) (レス) id: 58f865f500 (このIDを非表示/違反報告)
- あのー33話の「あぁ、聞いていたよ。泣きはしないけど……」のところ太宰さんではないでしょうか?織田さんになっているので、違っていたらすみません。(..) (2021年7月10日 18時) (レス) id: 9d7ef0cd22 (このIDを非表示/違反報告)
- あまり見かけないような内容と設定にひかれました!たのしみにしてます!更新頑張って下さい!(о´∀`о) 追記自傷無色に少し似てますね (2021年7月10日 18時) (レス) id: 9d7ef0cd22 (このIDを非表示/違反報告)
0wh790112p351y(プロフ) - 初めてましてです!本当に面白かったです!夢だと思ってるシーンで泣いてしまいました、、更新、応援しています! (2020年7月19日 18時) (レス) id: ff99cc9e63 (このIDを非表示/違反報告)
rin3636(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく拝読しています。他にはない設定ですっかりハマってしまいました!大変かとは思いますが更新頑張って下さい! (2020年7月18日 23時) (レス) id: 72a1d947af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エリウ | 作成日時:2020年7月8日 15時

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