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90話 ページ10

白瀬「前に口喧嘩しちゃっただろ?電子遊戯場でさ。あの後、僕も反省したんだ。お前のやりたいことを、僕達の都合で邪魔しちゃ駄目だってね。あの時、どうしても犯人を捕まえたかったんだろ?それなのに俺達は組織の報復の方が優先だ、なんて言っちゃって……正しいのはお前の方だ。お前に頼りっきりで他の方法を作ってこなかった、僕達が悪かったんだよ」

中也は意外そうな顔で、仲間のセリフを聞いていた

銀髪の少年が続ける

白瀬「今回のことでよく分かった。羊の問題が、どこにあるかって事がさ」

少年は小さく笑って中也は当惑の混じった声で

中也「そうか」

と言い、歩き出した

中也「ま、お前達が決めたんなら聞くよ」

中也は小さく息をついて、少年の横を歩いて抜けた

中也「俺も今回の事件でちっとばかし疲れた。休みが増えるなら願ったりだからな……歩きながら話そうぜ。どんな方法なんだ?」

中也は少年の横を通り抜け、ぶらぶらと崖沿いの道を歩きはじめた

海からの風がひときわ強く吹いて、墓地の雑草を揺らした

何かが強く中也の背中にぶつかって、どん、と音を立てた

中也がつんのめった

白瀬「これが解決法だよ」

中也がゆっくりと振り向いた

背中に、銀髪の少年が体を押し付けている

中也「……お前……」

少年が体を離すと同時に──中也が体勢を崩し、倒れた

その背中に、真新しい短刀が突き刺さっていた

深く刺さった短刀の根元から、じくじくと鮮血が滲み出ていく

白瀬「心底油断してる時に、視界の外から攻撃する。そうすりゃ重力を使う暇もない」

銀髪の少年が顔に笑みを貼り付けて言った

白瀬「そうだろ、中也?よく知ってるよ。長い付き合いだからね」

中也「何の……つもりだ……」

中也が苦しそうに呻き、起き上がろうとする

だが手足が震え、力が入らない

白瀬「あんまり動かないほうがいいよ。刃に殺鼠剤を塗っておいたからね」

銀髪の少年の笑みが深まる

白瀬「当分は手足が痺れて、いつもみたいな動きはできないだろうさ。可哀想に、お前が今ほど強くなけりゃ、こんな酷い目には遭わずに済んだのに」

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neko - 中也、一端夏目漱石さんと代わるよ。終わったらズッと君だよ。愛してるね。可愛い中也さん。 (2020年10月19日 13時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
リザ - とても良い作品です!更新楽しみです! (2020年7月12日 21時) (レス) id: 957f187fe2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エリウ | 作成日時:2020年7月6日 15時

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