91話 ページ11
中也「こんな目ってのは……何の事だよ……？」
中也が背中の傷を庇いながら、どうにか振り返って少年を睨む
白瀬「これの事さ」
銀髪の少年が指を振る
同時に、無数の兵士が墓地の向こうから現れ、中也に小銃を向けた
中也「こいつらは……GSSの、兵士共……」
完全装備の兵士が、崖際に倒れる中也を半円状に包囲していた
白瀬「これが僕達の決定だよ……羊はGSSと手を組む」
少年が言うと、兵士達の間を縫って、銃で武装した少年達が現れた
皆一様に厳しい表情をし、中也に銃口を向けている
白瀬「お前が悪いんだぜ、中也」
銀髪の少年が、笑顔のまま中也を睨んだ
白瀬「皆今回の件で気がついたんだ。《もし次、中也が本当にマフィアに味方する気になったら、どうしよう？》ってね。誰だって想像がついた。もしそうなったら、今の羊には為す術がない。皆殺しにされるだろう。だって僕達は、中也の物凄い能力に頼りきりだったんだからね。何十人もいる仲間達の命を、たった一人の気分に任せる訳にはいかないんだよ。こういうのを《脆弱性》って言うんだ。小さな穴から侵入した洪水が要塞を滅ぼすような、組織の脆弱性……難しい言葉だけど、中也に分かるかな？」
中也「てめぇ……俺が、組織を、裏切る訳……」
中也が青白い顔で唸った
その顔にはびっしりと汗が浮かんでいる
毒が回ってきているのだ
白瀬「その点、GSSは気分で態度を変えたりしない。利益がある限りは信用できる。マフィアっていう強大な敵に立ち向かうには、この方がずっと賢いやり方なんだよ」
中也は荒い息をつきながら周囲を見た
GSSに混じって銃を構えている、少年達を見る
つい数分前まで仲間だと思っていた少年達は、今では恐ろしい獣を見るような目つきで中也を睨んでいる
中也「そう、かよ……」
中也は荒い息をつきながら言った
中也「俺がやってた、事は……全部、迷惑だったって……事か……」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
neko - 中也、一端夏目漱石さんと代わるよ。終わったらズッと君だよ。愛してるね。可愛い中也さん。 (2020年10月19日 13時) (
レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
リザ - とても良い作品です！更新楽しみです！ (2020年7月12日 21時) (レス) id: 957f187fe2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エリウ | 作成日時：2020年7月6日 15時
