白銀の女神様【Fate/Grand Order】【エルキドゥ、ギルガメッシュ】 (ページ3)

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51話ページ3

ギルガメッシュ「俺はただ”封印を破った”までだ」

藤丸「封印？」

ギルガメッシュ「Aは元から笑わなかった訳ではない、民が知らぬだけで笑いもし泣きもした。此奴はな、エルキドゥが死した際に自分の精神に封をした。感情を表に出す、感情を感じるという事を止めたのだ」

マーリン「成程。あの音は、精神を覆っていた魔力の壁が割れる音だった訳か」

ギルガメッシュ「いつかいつかと待ってはおられん、この状況なら尚更だ。少々荒療治だったが、こうでもせねば死ぬまで封印したままだったろうよ」

『…私の意思は無視なの？』

待ってはいられない、この状況なら尚更

ギルガメッシュの言葉に不満があるのだろう

それとも怒りか、悲しみか

『どうして？』

ギルガメッシュ「……」

『ねぇ、ギル』

ギルガメッシュ「……」

『どうして…私の心を解いたのっ…？』

イシュタル「A！？ちょ、あんた…」

藤丸「泣いてる…？」

Aの綺麗な青い瞳から、次々と涙が溢れていた

無表情しか見た事の無かった藤丸やマシュは驚きに口を開けた

『痛かった、痛かったのっ……エルキドゥが、居なくなって、目の前で…消えちゃって……だから痛くない様に、封印したのに…！あのエルキドゥがエルキドゥじゃないのも、分かってる…』

ギルガメッシュ「ならば逃げるな、逃げずに向き合え。逃げるなどお前らしくもない、誰であろうと生きているのなら愛するのだろう？」

自分は秩序を守る為に、愛する為に生まれてきた

正しさ、安寧、それ等を守る為に

生ける者、生ある者、それ等を愛する為に

生まれてきた

だが、Aはいつからか気付かない内に

”愛される事を望んだ”

愛する側ではなく、愛される側

しかし地上に生命がある以上、Aは愛される側ではなく愛する側でいなければならない

そう思わなければいけない、そう思って心を封印したのだ

だが、封印は友によって解かれてしまった

そして向き合えとも言われた

封印は解かれ、感情と心が戻った

逃げる事は、許されない

『上手く、笑えないかもしれない……』

ギルガメッシュ「フン、お前の笑顔が下手な事など知っておるわ」