68話 ページ20
『悲しいね、生き物が死ぬのは』
そう呟いたAは、鮮血神殿ではなくジグラットにいた
しかし背中まであった髪は肩下まで短くなっている
シドゥリ「A様、良かったのですか?その、髪を…」
髪の短くなったAを見て、シドゥリが心配した
『いいよ、もう伸ばしても意味は無いから。ウルクは滅びる、私も無事とはいかない。だから、もういいの』
陽動作戦で北壁に行く前、ケツァルコアトルはAにお願いをした
それは髪の一部をくれないか、というもの
理由は簡単
エルキドゥを煽り、挑発する為
少しでいいと言ったケツァルコアトルだったが、伸ばしても意味は無いと思ったAはバッサリと切り、髪を渡した
生まれ落ちてから、1度も切った事の無かった髪
ギルガメッシュや民から褒められた髪
それは誇りだった
『シドゥリはいつも褒めてくれたよね、髪が綺麗だって。私ね、髪を褒められるの凄く嬉しいの。他の神々や兄弟の中で自分だけ銀色、自分だけ違うっておもってたから。でも、ギルや皆が綺麗だねって言ってくれたから、この髪が好きになれたの。ありがとう』
ギルガメッシュ「そこまで切らずとも良かっただろう」
『思い切ってみようかな、って。藤丸達、ビックリするかな?』
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作者名:エリウ | 作成日時:2022年2月27日 9時