白布賢二郎:帰宅する母への電話 ページ48
うちは母子家庭で、母さんは夜遅くまで働きに出てる
その時間まで俺は勉強とかして過ごす事が多かった
その夜も、俺は部屋で勉強をしながら母さんのかえりを待ってたら母さんから電話が掛かってきた
母「今から帰るけど何か買ってくるものある？」
白布「いや、別に無いよ」
そう言って電話を切った
でも数分経ってから牛乳が無かったのを思い出して、着信履歴から母さんに掛け直した
3〜4コールしても出ないから、運転中かと思って切ろうとした時、通話モードになった
白布「あ、母さん？」
母「すーーーー…すーーーーー…(鼻息の様な音)」
白布「母さん？聞こえてる？」
母「すーーーー…すーーーーー…」
車の音とか、運転してる音みたいなものは一切聞こえなかった
ただ鼻息の様な音が聞こえてきて、何か奇妙な感じ
別に怖くは無かったけど、何となく電話を切った
間違って掛けたのか？そう思って発信履歴を見たけど母さんだった
何かの拍子に通話ボタンを押したとか？
でも鼻息が聞こえるくらい口元でそんな事ないよな…
色々考えたら、もしかして事故に遭ったとか？
通話ボタンは押せても喋れない状況とかか？
そんな考えが浮かんだ
母さんの帰宅ルートは山道みたいな場所だ
誰も気付かない可能性は充分ある
何だか怖くなって冷や汗が出てきた
いてもたってもいられなくて、母さんを探しに行こうと立ち上がった瞬間、車の音が聞こえてきた
俺は安心した
車が車庫に入って、ドアが開いて閉まる音
[バタンッ、バタンッ]って2回
2回…？
母さん一人が車から降りるならドアの音は1回の筈だ
それに今日は買い物だってしてない筈
俺は玄関まで母さんを迎えに行った
歯は「あら？ただいま」
母さんの荷物はいつも通りバッグ1つ
居間で電話した事を伝えると、運転中で気付かなかったと言われた
あの変な電話の事を話そうとした時、母さんが先に話し出した
母「賢二郎知ってるでしょ？ほら、このあいだ一家4人惨殺事件があった所。あそこを帰りに通ったのよ。ちょうど現場ら辺に差し掛かった時に車がね、助手席のシートベルトをしめて下さいって言うの。誰も乗ってないのに。賢二郎、こういう話好きでしょ？」
俺は顔から血の気が引いて、ゾッとした
･
〘 解説 〙
《助手席のシートベルトをしめて下さい》
惨殺事件の現場で母の車に何かが乗ってきている。
《[バタンッ、バタンッ]って2回》
そして、その何かは白布の家で降りた。
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ほの花 - 怖いけど、面白い!! (2021年7月10日 23時) (
レス) id: ee79ae4f81 (このIDを非表示/違反報告)
月島野乃 - 怖くてゾクゾクしました（涙）(^^)更新頑張ってくださいね( ^ω^ ) (2021年7月10日 19時) (レス) id: 39b7fcf3e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリウ | 作成日時：2021年7月10日 18時
