双黒の監視者【中原中也】弐 (ページ19)

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49話ページ19

「何のんびりしてんだよ中也、こんなとこで！」

三人組の中央にいる、銀髪の少年が口を尖らせた

「知ってるだろ、晶や省吾達がマフィアに攫われたの！」

中也「心配すんな」

中也は感情を伴わない声で言った

中也「その件は今対処中だ。攫われた八人は無傷で帰ってくる」

「対処中って……どこが？組織内でも噂になってるんだぞ？中也がマフィアに屈服して、使い走りの犬みたいに下儲け仕事をさせられてるってね！僕が噂を潰して回るためにどれだけ苦労したと──まぁそれはいいよ。早くマフィアの監禁アジトに殴り込んで、痛い目見せてやろうぜ！いつもみたいにさ！」

羊達の会話を、太宰とAは楽しむような目つきで、黙って眺めている

『殴り込みにねぇ、それは楽しそうじゃん』

太宰「A、僕達には仕事がある。ここで荒事はダメだよ」

『たかが銃で武装しただけの子供だろう？僕の[絶対運命]には勝てない』

太宰「我儘言わないでよ、怒られるのは僕なんだよ。そんなんじゃ、一緒に心中してあげないよ」

『してくれなくて結構、僕は死にたい訳じゃないから。心中したいなら他当たった方がいいよ』

太宰「A可愛いし、綺麗だし。だーいすきだよ？だから心中してよ」

『お断りだ、棒読みだし～』

太宰「可愛いと綺麗は本音だよ」

太宰とAはお互いだけが聞こえる声で話す