2話 ページ3
Aside
天童はブロックも上手くて、コミュニケーション能力も高い
顔もまぁいい方だろうし、モテるのは分かる
でも、アイツには私にとって許せない悪癖がある
放課後の理科準備室の掃除当番だった友達を迎えに行った時だった
ふと中から話し声が聞こえた
それは迎えに来た友達の声で、何となく察しは付いた
天童に告白してるんだろう
普通ここは聞かないフリをするんだろうけど、私は迷わずにドアを開けた
案の定友達は天童に告白していて、そして
「っ…A、ちゃん……」
予想通り泣いていた
『(やっぱり)』
「あ、えと……っ」
『無理に言わなくて良いよ、分かってるから。もう帰りな、誰にも言わないから』
「うんっ……」
友達が目を擦りながら出ていったと同時に天童がニッコニコしながら話し掛けてきた
天童「ごめ〜ん、あの子ふっちゃった」
『……』
天童「心折っちゃったかな?バッキバキに折れ!」
『天童』
天童「ん?」
『お前のこういう所、”大っ嫌い”』
天童「酷くフる所?」
悪い笑顔で天童が私の目の前に立つ
身長差が凄いから、必然的に私が見上げる形になる
大半の子はビビるかもしれないけど、生憎と身長が大きい奴には慣れている
『ごめん、で済ませればいい話。相手の性格まで言う必要は無いと思うんだけど』
天童「言いたいから言っただけだヨ?Aちゃんこそ、いい加減偽善者止めて俺に堕ちなよ。ね?」
『お前に堕ちるなんて、あったとしても死んだ後かもな?』
天童の許せない悪癖、それは告白してきた女子を手酷くフる所
今まで何人も手酷くフられてるのに、コイツを好きになる奴は後を絶たない
『天童に英太ぐらいの優しさがあったらね〜』
天童「へ〜、俺も十分優しいと思うけど?」
『何処が?お前に手酷くフられて、毎回泣き付かれる私の身にもなれ』
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作者名:エリウ | 作成日時:2021年5月18日 13時